企業の業績動向がわかるIR情報とは?見方をご紹介


企業の経営状態や財務状況、業績の実績、今後の見通しなどを株主や投資家向けに発信するIR(Investor Relations)。この記事では、IR情報から得られることをメインにその読み解き方をご紹介します。


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目次[非表示]

  1. IR(InvestorRelations)とは?
  2. 企業がIRを行う目的とは?
  3. 企業研究で見ておくべきポイント
  4. 転職希望企業で見ておきたいポイント
  5. まとめ

IR(InvestorRelations)とは?

IR(InvestorRelations)とは、企業が投資家に向けて会社の経営状態や財務状況、年度の業績に関して公開しているものです。
投資家は公開されているIR情報を参考にして、投資するべき会社かどうか判断します。

まずはIR情報に関して、混同されがちな「PR」との違いや、どのように検索すればいいのか見ていきましょう。

IRとPRの違い

PRとは「PublicRelations」の略称で、日本語では「広報」ということ言葉に近い意味を有しています。
IRが投資家を対象にしているのに対して、PRは「Public(公共)」という言葉が含まれていることもあり、投資家に限らず社会にいる多くの人々が対象です。

たとえば「インフルエンザの予防接種を受けましょう」「働き方改革を各企業で推進していきましょう」といった、政府・官公庁による様々な取り組みもPRとなります。

IR情報の検索方法

IR情報は、基本的に企業のホームページから閲覧することができます。
企業によってIR情報を掲載するやり方は異なりますが、基本的には「投資家の皆様へ」「投資家・株主情報」「IRに関して」といった形でホームページに掲載されていることが多いです。

IR情報は基本的に投資家向けの情報を掲載していますが、転職者が参考になる情報も数多く載せられています。
ただし非上場企業の場合、ホームページ上にIR情報が掲載されていない場合もあります。その場合は決算広告や民間調査会社のデータから調べると良いでしょう。

企業がIRを行う目的とは?

多くの企業が次のような目的で、IRを積極的に行うようになっています。

【企業がIRを行う目的】

・自社への投資を促すため

・株主・投資家と良好な関係を築くため

・企業の社会的価値を向上させるため

なぜ企業がIRを積極的に行うようになってきたのか、その目的や理由について以下で詳しく見ていきましょう。

自社への投資を促すため

IRを一般公開する最大の目的は、企業の情報を提供することによって、市場で正当な評価を得て投資家に投資を促すためです。

IRを公開することによって、企業経営の透明性がアピールできるため、投資家に対して自社が投資に値する企業であることを効果的に伝えることができます。

株主・投資家と良好な関係を築くため

企業は安定した経営を継続して行うためにも、短期的な株価の上下に左右されることなく、中長期的に会社を支えてくれる株主や投資家と良好な関係を築く必要があります。
一時的な株価の上下に左右されることなく中長期的に会社を支えてくれる株主や投資家は、その企業がどういった活動をしているのか綿密に調べます。

自社のことを信頼できる企業であると理解してもらうためには、企業の業績や経営方針を公開するIRは最適の手段です。

企業の社会的価値を向上させるため

企業には、投資家だけではなく顧客や行政、地域社会など様々な形で関わっているステークホルダーが数多く存在しています。

こういったステークホルダーに対して、企業の経営方針や社会貢献活動などを伝え、自社が社会的に価値のある企業であると発信することもIRの目的の一つです。

企業研究で見ておくべきポイント

転職をするにあたって、企業研究でIRをチェックする際に見ておくべきポイントは以下の4つです。

【企業研究で見ておくべきIR情報のポイント】

・有価証券報告書

・営業利益

・企業が抱えている事業のリスク

・社債

なぜ上記ポイントが企業研究をするにあたって重要なのか、その理由について以下で詳しく見ていきましょう。

有価証券報告書

有価証券報告書とは、年度ごとに企業が外部の人たち向けに作成・公開している企業内部の開示資料です。一定の条件を満たしている企業は、金融商品取引法によってこの有価証券報告書を事業年度終了の3ヶ月以内に提出することが義務付けられています。

有価証券報告書には、企業の経営状況や概況などが記載されており、企業内部の最新情報を確認することが可能です。

また有価証券報告書に掲載されている情報は、公認会計士や監査法人など企業以外の第三者によるチェックが行われているので、企業内部の状況を知るためには最適な情報と言えるでしょう。

営業利益

営業利益は売上収益とも呼ばれており、企業の事業で得た売上から経費を差し引いたお金のことを指しています。
IRには企業の事業ごとに営業利益が掲載されていることが多いです。

そのため営業利益をチェックすることによって、その企業のメインとなっている事業は何か、事業ごとにどれくらい利益を出せているのか、逆にマイナスになっている事業はどういったものなのか知ることができます。

企業が抱えている事業のリスク

IR情報では、企業が抱えている事業のリスクについても掲載しています。

企業が事業を行うにあたってどのようなリスクを抱えているのか、そしてそのリスクを避けるためにどのような対策を行っているのかなどを、IRに公開されている情報から確認することが可能です。

社債

社債とは、一般の事業会社が発行する債券を指します。債券とは、発行体が投資家から資金提供を受ける代わりに満期までに利子を支払い、満期には元本を返済する有価証券のことです。
社債の他にも、流動資産、純資産などをIRを通して確認することで、その企業の経営状態を正確に把握することができます。

社債や資産に関しては、損益計算書や貸借対照表、キャッシュフロー計算書などを見ることによってチェックすることが可能です。

転職希望企業で見ておきたいポイント

転職を希望している企業と自分がマッチしているかどうかはかるために、IRに掲載されている次の3つの情報をチェックしておきましょう。

【転職希望企業のIR情報で見ておきたいポイント】

・中長期経営計画

・統合報告書

・トップメッセージ

中長期経営計画

中長期経営計画とは、その名前の通り企業の経営計画書のことです。
中長期経営計画には、企業の現状と向こう何年かの目標および、それに対する具体的な施策が載っています。

中長期経営計画を確認することによって、自分の進みたい方向性と企業の目指す方向性がマッチしているか、また企業がどのような人材を求めているかを把握することが可能です。
企業がどのような人材を求めているか採用面接前に把握することができれば、その企業に合わせた選考対策を効率的に進めることができ、転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。

統合報告書

総合報告書とは、企業の決算内容に関する財務情報に加えて、コーポレートガバナンスやCSR(企業の社会的責任)などの非財務情報をまとめたものです。
総合報告書には企業の経営理念や経営者の考えなども含まれており、財務諸表だけでは見ることのできない「企業の個性」を伺い知ることができます。

統合報告書をチェックしておけば、企業の将来像と自分の思い描いているキャリアプランがマッチしているかある程度予測することができるでしょう。

トップメッセージ

トップメッセージとは、企業の代表取締役が投資家や社会に向けて発信しているメッセージのことです。トップメッセージには現在の自社の立ち位置や将来の目標などが掲載されており、企業が今後どのような戦略で動いていくのか予測するうえで重要な情報となります。

企業や関わっている業界によっては、トップの発するメッセージやイメージがそのまま第三者から見た企業のイメージに反映される可能性が高いです。

その企業のイメージや雰囲気、今後のビジョンについて参考となるので、転職希望企業のトップメッセージは必ず確認しておきましょう。

まとめ

企業が公開しているIR情報は、基本的に投資家向けのものがほとんどです。しかし企業を知るうえで必要不可欠な情報が数多く公開されており、転職する際の企業研究を行う際には必ず活用したい情報と言えるでしょう。

仮に転職を希望している企業があるのであれば、まずはIR情報を中心に企業研究を行うことによって、その企業と自分がどの程度マッチしているか確認するのがおすすめです。

事前にIR情報を中心に綿密な企業研究を行うことにより、転職してから「思っていたのと違った」と後悔することを防げます。
もっともIR情報だけでは、転職するのに必要な情報を集めるのは難しいでしょう。

IR情報だけでは知ることのできない企業の内部状況や、自分と転職を希望している企業がマッチしているかどうか知りたいのであれば、プロの目線でアドバイスをくれる転職サービスを利用するのがおすすめです。

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