個人が自分のスキルを提供し、対価を受けるスキルシェアサービス。この記事ではスキルシェアのメリットやデメリット、サービスプラットフォームを選ぶ際のポイント、そして注意点などについて、株式会社クラウドワークスの代表取締役社長 兼 CEO 吉田 浩一郎様のコメントを交えて紹介していきます。
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スキルシェアサービスとは
スキルシェアサービスとは、個人が自分のスキルや知識をインターネット上のプラットフォームを通じて他者に提供し、その対価を得るシステムです。
日本最大級のクラウドソーシングサービス「クラウドワークス」の代表取締役社長 兼 CEO 吉田 浩一郎様によると、スキルシェアサービスが注目を集めるようになったのは比較的最近のことだといいます。
吉田:クラウドワークスを創業した2011年ごろ、個人が収益を得る手段は「仕事をして報酬をもらう」という範疇を出ませんでした。しかしそれから5年、10年と経つうちに、仕事以外でも報酬が発生することが普通になってきました。
なお、スキルシェアサービスは大きく二つのタイプに分けられるといいます。
モノの販売
一つ目は、個人のスキルを利用してモノを販売するタイプです。たとえばフリマアプリで仕入れと販売を行う「せどり」や、手作りのアクセサリーを販売するケースなどがこれにあたります。
サービスの提供
二つ目は、個人のスキルをサービスとして提供(販売)するタイプです。代表的なものとしては、似顔絵を描く、占いをする、ヨガを教える、英会話を教えるといったものが挙げられます。従来、こうしたサービスは企業が仕組みを作って提供していました。しかし今では、インターネットを通して個人が利用者と直接やりとりできます。
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スキルシェアサービスを活用するメリット
スキルを持つ人たちにとって、スキルシェアサービスは非常に魅力的な仕組みです。ここでは主な4つのメリットについて紹介します。
自分のスキルで稼げる
スキルシェアサービスの最大のメリットは、自分の持っているスキルや専門知識を直接収入に変えることができる点です。たとえばプログラミング、デザイン、言語教育、コンサルティングなど、あらゆるスキルが収益を生み出す可能性があります。
なお個人がスキルを発信する手段や決済手段は、これまで非常に限られてきました。しかし最近ではクラウドワークスの「PARK」(スキル販売の拠点となる決済機能付きホームページを簡単に開設できるサービス)や「メンバーペイ」(個人が利用できる会費決済サービス、オンラインサロンなどで活用)などが次々に登場し、スキルシェアサービスを利用するハードルが大きく下がっています。
時間を有効に使える
スキルシェアサービスを利用する別のメリットは、自分の時間を効率的に使えることです。9時から5時という一般的な仕事とは異なり、スキルシェアなら自分の好きな時間に、好きな場所で仕事ができます。本業との両立や家庭とのバランスなど、自分のライフスタイルに合わせて仕事を調整することが可能です。
価格を自分で決められる
スキルシェアサービスでは、自分の提供するサービスの価格設定を自由に決めることができるのも大きな魅力です。市場の需要や自身のスキルレベル、競合他社との比較を考慮しながら、適正と思う価格を設定できます。経験や実績を積めば「適正価格」も上がるため、自分の成長とともに収入を増やしていくことも可能です。
初期投資がほとんどかからない
スキルシェアサービスでは、初期投資がほとんど、あるいは全くかかりません。スキルシェアサービスのプラットフォームは無料で登録できるものが大半です。スキルを使って仕事をする際も、大抵の場合は特別な機材やオフィススペースを必要としません。副業やフリーランスとして独立を考えている人にとって、スキルシェアサービスはリスクを最小限に抑えながら新しいキャリアをスタートさせる絶好の機会となります。
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スキルシェアサービスを活用するデメリット
スキルシェアサービスの利用にはいくつかのデメリットも存在します。特に「初期段階では実績不足によりスキルを売りにくい」ことと、「スキルを持っていない分野では活躍できない」ことは大きなデメリットです。
新規参入者はまず信頼と実績を築く必要がありますが、これには時間と努力が必要です。また提供できるスキルが限られているなら、スキルをより一層掘り下げるか、スキルの幅を広げる必要があります。後者の場合、リスキリングが課題解決の糸口になるでしょう。
リスキリングについて
リスキリングとは、新しいスキルや知識を身につけ、変化する労働市場に適応することです。技術の進歩や市場の需要の変化に応じて新たな分野のスキルを学び直すことで、個人の市場価値を高めることができます。このことはスキルシェアサービスにおいても当然に当てはまります。
吉田:クラウドワークスでもリスキリングに注目しています。当社の登録ユーザーが利用できる「みんなのカレッジ(みんカレ)」は、自分らしい働き方の実現をサポートする学びの場として、気軽な相談ができる「コミュニティ」や、仲間と一緒に学び合う場を提供しています。一般的な企業では社内で同僚や先輩とつながり「ロールモデル」を学びますが、みんカレは在宅で個人で何かやりたいけど仲間がいない、ロールモデルがわからない人が学べるコミュニティです。
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スキルシェアサービスの選び方のポイント
スキルシェアサービスを効率的に利用するためには、サービスのプラットフォーム選びも重要です。ここではさまざまなポイントから、特に重要と思われる三つを紹介します。
活発な取引が行われているか
プラットフォーム上で活発な取引が行われているかどうかも重要な判断基準になります。たとえば多くのユーザーや取引があるプラットフォームなら、その分野での需要が高いと考えられるでしょう。活発な取引があるプラットフォームを選ぶことで、より多くの潜在的な顧客にアクセスし、スキルを売り込む機会を増やすことができます。また、取引の頻度や規模、ユーザーのレビューや評価を確認することも有益です。
自分のスキルに合っているか
一つ目のポイントは、サービスのプラットフォームが自分の売りたいスキルと合っているかどうかです。サービスの特徴や強みとなる分野、ターゲットはプラットフォームごとに異なります。クリエイティブなスキルを持つ人はデザインやアートに特化したプラットフォームを、技術的なスキルを持つ人は開発やプログラミングに特化したプラットフォームといった具合に、自分の能力や経験を最も生かせる場所を選ぶことが重要です。
サービスと手数料が釣り合っているか
プラットフォームが提供するサービスと、手数料のバランスもしっかりと検討しましょう。多くのスキルシェアサービスでは、原則として取引ごとに手数料が発生します。サービスの品質、提供する機能、ユーザーサポートのレベルを手数料と比較して、コストパフォーマンスが適切かどうかを判断してください。手数料が高いと思われるプラットフォームでも、それに見合うだけの充実したサポートを提供している場合があります。
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スキルシェアサービスの副業で稼ぐためには?
スキルシェアサービスを成功させるカギとなる、三つのポイントも紹介します。
自分の得意分野を把握する
まずは自分の得意分野を明確に理解することが不可欠です。他の人にはないユニークなスキルや、特に熱意を持って取り組める領域を把握することで、市場でのニーズに合ったサービスを提供することができます。自己分析を行い、得意とするスキルを明確にしましょう。
スキルシェアの実績を積み重ねる
スキルシェアのプラットフォーム上で実績を積み重ねることもおろそかにできません。初めは小さな仕事から始めて、徐々に信頼性と評価を高めていくことがポイントです。高い評価とポジティブなフィードバックが増えれば、そのぶん新たなクライアントを引き付ける重要な要素となります。実績を積むことで、より大きな案件や高額な仕事を獲得するチャンスも増えます。
プロフィールやポートフォリオを充実させる
魅力的なプロフィールと、充実したポートフォリオの作成も忘れないようにしましょう。プロフィールでは個人の専門性や経験、成果をわかりやすく紹介し、ポートフォリオでは過去の成功事例や具体的な成果を示します。これにより、潜在的なクライアントに効果的にアピールできます。
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スキルシェアサービスを利用する際の注意点
トラブルを回避するため、スキルシェアサービスを利用する際は以下の点に注意しましょう。
就業規則で副業の扱いを確認する
会社勤めをしている人なら、スキルシェアサービスを始める前に会社の就業規則に目を通して、副業の取り扱いを確認することが重要です。最近では減少傾向とはいえ、今でも一部の企業では副業が制限されている場合があります。職場の方針やガイドラインを理解し、必要な場合は事前に承諾を得ることで、トラブルを避けることができます。
徹底した自己管理を行う
スキルシェアサービスを使用する際には、時間管理と自己管理が重要です。副業と本業のバランスを保ち、オーバーワークにならないよう注意しましょう。仕事の品質を維持し、顧客からの信頼を得るためにも、効率的な作業スケジュールの計画と実行が必要です。
所得に応じて確定申告を行う
スキルシェアから得られる収入は所得として申告する必要があります。
まず副業としてスキルシェアサービスを利用する場合、確定申告が必要となるのは所得が「年間20万円」を超えたときです。個人事業主やフリーランスなら、「年間48万円」を超えた際に確定申告を行います。
なお税金計算や申告の手続きについては税務の専門家に相談するか、適切なガイドラインを参照してください。
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まとめ
吉田:すべての人は「誰かの役に立つ、誰かと繋がる」可能性を秘めています。クラウドワークスはミッション「個のためのインフラになる」を掲げており、そのステートメントで示す通り「あなたの才能はきっと誰かの役に立つ」ことを信じ、この可能性を現実のサービスにするお手伝いをしてきました。誰かのために自分だけのスキルを生かせる、たとえばコミケのオンライン版みたいなプラットフォームを通して、より多くの人が発見やワクワクを体験していけると素敵ですね。