今後、スタートアップ市場は間違いなく拡大し、その業態も多様化していく——。
2012年にコンサルティング会社を起業され、従業員300人規模の組織へと成長させた、株式会社リブ・コンサルティング代表取締役の関厳氏、BNGパートナーズの代表として、あらゆる採用事例を知る蔵元二郎による対談。
前編では来るスタートアップ市場の活況に向け、スタートアップ企業が抱えやすい採用課題にフォーカス。リブ・コンサルティングの関氏は「自社が今、どういったステージにあるかを正しく理解できない」ことを課題の一つとして指摘します。
では、その課題を解決し、企業を成長に導くにはどうすればいいのか? 後編では、関氏が語る“公式”をひも解くとともに、採用において取り組むべき具体策にも迫ります。
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「5段階企業成長モデル」から見る、適切な人材採用
蔵元:関さんがおっしゃった「経営者には常に学びが必要」ということ。これは本当にそうだと思います。僕自身、まだまだ経営の正体をつかみきれていない。これをつかむには、読まなければいけない本も、視聴しなければいけない動画も、参加すべきセミナーも、視察すべき企業も、ごまんとあります。一方、手を抜こうと思えば、いくらでも手を抜けてしまう。
しかし、見識を広げる努力を怠らなければ、必ず経営の糧になる。そこで、聞かせてください。経営者が今いるステージを正しく理解し、適切に舵を切るための手がかり。これには、文献から得た一つの公式があるとおっしゃいましたね。
関:はい。40年以上前に書かれた、ラリー・E・グレイナーという経済学者の論文です。「5段階企業成長モデル」といって、組織はまず創造性によって成長し、次に指揮によって成長し、その次は権限委譲、次いで調整、最後の5段階目には協働によって成長する、と説かれています。自社に当てはめてみても、確かに同様の流れをたどっています。
すでにお話ししたように、創業時に大切なのは経営者個人の力。ここである程度の成功を収めると、自社の勝ちパターンが見えてきます。すると、その次には指揮による成長が訪れる。となれば、見えてきた勝ちパターンを徹底的に磨き上げるための指揮官が必要になります。要はCOOであり、番頭タイプの人材です。
そして、次に訪れるのが権限委譲による成長です。優秀な指揮官によって自社の勝ちパターンが磨き上げられた結果、マーケットの天井が見えてきます。そこからさらに成長するためには、新規事業を考える必要がある。つまりは新たな部署を作ると同時に部長クラスの人間を立て、経営者の権限を委譲する、ということです。
スタートアップのCxO転職の面談とフォローのリアル
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自社の絶対的な強みを打ち出す、「勝ってから戦う」
蔵元:グレイナーの「5段階企業成長モデル」は、かつて、ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された論文ですね。ステージ変化のセオリーを知っていれば、それぞれの肝となる採用もマネジメントもしやすくなる。おっしゃる通りです。同時に今は、人材獲得競争の時代。採用すべき人材を得るには、何をすべきなのか。
関:今は売り手市場なので、もたもたしていては、獲得競争に敗れてしまいますよね。採用プロセスの短縮化は絶対だと考えます。短縮化したなかで、いかに確実な採用をするか。そのためには採用に当たる担当者の役割分担を、極めて明確にすることが重要です。
人材が有するスキルを見極めることはもちろん、人材に自社を選んでもらうことも採用担当者の大事な仕事です。最終的な採用までに3回の面接を経るとするなら、各担当者がどの段階でどの分野を見極め、自社にあるどの価値を相手に伝えるのか。見極めにも自社の価値付けにも漏れが出ないよう、きちんとストーリー立てた分業が必要だと考えます。
また、これは当然のことですが、“こういった価値観の人材は自社に合わない”といった、不採用の明確な共通認識は持っておくべきです。それがないと誰かにとっては優秀でも、誰かにとっては優秀ではない、といった不一致が生じ、妥協が生まれてしまいますから。
蔵元:そうした妥協は確かに生じがちですね。そして、関さんがおっしゃった「自社の価値付け」。これは僕も非常に重要だと考えます。1,000万円以上の報酬も、株式上場を目指すといったビジョンも、正直、何も特別なことではない。優秀な人材を獲得するには、それらは当たり前の条件です。
真に必要なのは、優秀な人材の心を動かすオンリーワンの強み。先人の知恵を借りるなら、『孫子』の兵法の言葉として書かれた「勝ってから戦う」です。他社に負けない絶対の強みを持ち、それを伝えられてこそ、優秀な人材が獲得できる。関さんは、そこにも非常に長けています。リブ・コンサルティングに優秀な人材が集まる所以です。
関:ありがとうございます。コンサル会社は、競合他社との差別化を図るのが難しい。基本的にはご依頼あっての業態のため、顧客第一主義が命題です。顧客第一主義であるがゆえに、自社独自のアプローチがしづらい側面があります。そこで、我々のミッションは“100年後の世界を良くする会社”を増やす、と策定しました。
クライアント企業の発展に尽くすことが、ひいては100年後の世界に貢献する。僕たちは、本気でそう考えています。コンサル業界には、こういったMVVを発信している企業はほかになく、自社の大きな強みです。
優秀な人材とは、スキルのある人材ですが、自社のMVVに共感し、それを踏まえて能力を発揮できる人材でなくてはいけません。ならば、採用においてもMVVを伝えるべきと考え、当社の会社説明スライドの半分をMVVと人材育成のページに割いています。
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スタートアップ企業こそ、アンラーニングの姿勢を問う
蔵元:では、価値観を共有し、その上で能力を発揮できる人材を見極めるため、御社ではどのようなインタビューをされているのでしょうか? 関さんもおっしゃったように、採用面接は相手のことを知る機会であるのと同時に、自社を伝える機会でもあります。
例えば、僕の場合は自分から質問を始めることはしません。僕から問うのではなく、お相手の質問から始めていただきます。なぜならBNGパートナーズという会社は、あまり細かな指示をするスタイルではないから。もちろん、きちんと方針は伝えますが、そこから先は個人の裁量。でも、何かあったらいつでも相談に来てね、という(笑)。
関:なるほど、蔵元さんらしいですね(笑)。僕の場合、スタートアップ企業に応用できそうな観点でいうと、継続的な学習意欲にまつわる質問をしますね。スタートアップにあるべき破壊的イノベーションを起こすには、常に新しい価値観に触れ、自己認識を塗り替える必要があります。今どき風に言うなら、アンラーニングの姿勢でしょうか。
そうした姿勢を知るため、3か月以内に読んだ本と本から学習した知識。そこからさらに踏み込んで、新しい価値観なり判断軸なり、本から得た学びがご自身に与えた要素についてもお聞きしています。加えて、その人に曲がったところがないかも見ていますね。外国人の採用に関しても同様です。スキルを見ることは大前提ですが、国籍や言語よりも、結局はフィーリングが一番大事。
蔵元:それは完全に同意です。いわゆる倫理として曲がっているかではなく、本当に感覚的なもの。しかし、感覚は侮れない。一緒に働く以上、「何かが引っかかるぞ」という感覚こそが重要だったりしますから。だから、直感で違和感があるなら、その違和感が解消されるまでは深掘りする。これは採用において、徹底すべきことの一つですね。
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どの人材紹介会社に頼るべきか、重要なのはその見極め
関:そして、優秀な人材に出会うためには、広く自社のことを伝えることも大事だと考えます。当社の場合は、競合が外資系のコンサル会社であり、自社の名前を広く周知しなければ、優秀な人材にとっての一軍にすらなれない。当社では自社メディアとしてYouTubeチャンネルを開設していますが、その目的の一つは名前の周知です。
蔵元:そこがまさに、伺いたかったところです。特にスタートアップ企業の場合、業歴の短さゆえに優秀な人材と出会いにくい。それでも企業を成長させるには、人材獲得競争に勝たなければなりません。そのお手伝いをするのがBNGパートナーズの仕事ではありますが、関さんはより優秀な人材に出会うため、どのような策を講じているのか。
関:御社のような人材紹介会社に頼ることも重要です。当社でもBNGさんのご協力によって、複数名の幹部を採用しています。様々な人材サービスがある中で、大事なのは人材の見極めであり、僕としては裏打ちされた優秀さのあるハイクラスの人材が欲しい。BNGさんを選んだのは、管理職レイヤーへのアプローチに長けていたからです。
蔵元:ありがとうございます。うれしいお言葉が聞けました。一方、人材紹介会社を経営する僕の視点からすると、関さんが成功されている大きな理由の一つが、やはり自社の強みを誰よりも明確に認識し、それを適切にアプローチするスキルを持っていること。採用は、「勝ってから戦う」。関さんは、まさにその代表例です。
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