【現役CEO監修】優秀なCxO採用を成功させるコツとは?

役職のプロ人材であるCxOは、企業活動の重要な部分を担います。一般的な社員の採用よりも難しく、採用に苦戦する企業も多いのではないでしょうか。多くの企業が採用に手こずるなかで「優秀なCxO人材」を採用するには、コツを知ることが必須です。当記事では「CxO人材採用のプロ」へのインタビューを通じ、優秀な人材獲得に役立つ情報を紹介します。

インタビューに答えてくださったのは、株式会社リブ・コンサルティングの現役CEOであり「CxO採用のプロ」である関厳様です。

そもそもCxOとは?

CxO(Chief x Officer)とは、「Chief(=組織の責任者)」「x(=業務・機能)」「Officer(=執行役)」を合わせた経営用語です。企業活動におけるトップへの総称であり、複数のポジションが存在します。

CxOの「x」には各ポジションの頭文字が入り、それぞれ職務が異なります。日本語に訳すと、すべて「最高〇〇責任者」と表記されることが特徴です。

~例~

  • CEO…最高経営責任者
  • CTO…最高技術責任者
  • CHRO…最高人事責任者

CxOの設置によって、組織での不正防止・公正な判断を実施すべく、コーポレートガバナンスの強化がはかれます。また、企業経営の迅速化も期待できるでしょう。

CXO採用の主な3つの手段とは?

ひとくちに「CxOの採用」といっても、いくつかの手法が存在します。

関様がスタートアップ時期にCxO候補を探した際、どのように探されましたか?企業コンサルをされるなかで、ほかの企業がどのように探しているかも教えていただけますか?

関:僕がスタートアップ時期にCxO候補を探した際には、過去のネットワークや前職経由のツテが主でした。いわゆるリファラル採用です。

「従業員数が30人前後」のケースでは、人材紹介サービスやダイレクトリクルーティングを利用するケースも多くなります。また昨今では「経営者が若年化」しているため、ツテが少ない経営者も多いでしょう。ツテが少ない経営者は、はじめから人材紹介サービスを活用する傾向にあります。

人材紹介サービス

「人材を採用したい企業」と「求職者」をマッチさせる人材紹介サービスは、プロ目線で求職者を推薦してもらえるため、高いマッチング率が特徴です。また専任の担当者が自社に代わって採用候補者を探すことから、採用担当者の負担を大幅に減らせます。

さらに効率性を求めるのであれば、「CxO採用に特化」したサービスを選ぶと良いでしょう。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接的にスカウトメールなどを活用し、候補者へアプローチする手法です。「応募者からの応募をまつ」のではなく、企業が率先して働きかけるため「攻めの採用手法」だといえます。

優秀なCxO人材は他社も狙っているため、他社よりも早くアプローチすることで、採用の可能性が高まります。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の社員や取引先などを通じ、知人を紹介してもらう採用手法です。自社を理解した人から紹介してもらえるため、高いマッチング率が特徴です。

また会社の最高責任者であるCxO採用では、信頼できる人を採用する必要があります。リファラル採用では、紹介者と紹介された人が顔見知りであることから、信頼できる人を採用しやすいでしょう。

CxO人材が必要になるタイミングと採用要件は?

CxO人材が必要になるタイミングは、CxOの種類(COO・CTOなど)によって異なります。また、それぞれの採用要件を知ることで、ベストな採用につながるでしょう。

関様がCxO人材との面接や面談を行なう際に、どういった部分を見て「採用・不採用」の判断をされましたか?また各CxO人材が必要になるタイミングも教えてください。

関:CxOレベルの人材であれば、スキルは履歴書や職務経歴書で判断が可能です。そのため、書類ではわからない視点から判断します。

CxO人材に共通する採用要件は3つです。

1つ目は、候補者が「活躍していたステージの確認」です。前職での企業ステージから、自社が求める各CxO人材と合致するかを見ます。

2つ目は、自社カルチャーとの相性です。カルチャーを理解せずに入社すると、「このようなハズじゃなかった」とミスマッチが生じやすく、双方にとってよくありません。僕は「自社カルチャー」の良い部分・悪い部分を明確に伝え、候補者自身が判断できる状態までもっていきます。

3つ目は「ジョブホッパーか否か?」です。CxO人材には、役割をしっかり任せたいので常に職を変え続けるジョブホッパーは基本的に対象外ですね。

また各CxO人材の「採用タイミング」は、以下の通りです。

COO(最高執行責任者)の採用タイミング

COO(最高執行責任者/Chief Operations Officer)は、企業のトップであるCEOの方針に準じて、業務を実行します。いわば「会社のナンバーツー」といえるポジションです。

そのため、COOを採用する一般的なタイミングは「社長だけでは組織マネジメントが厳しくなった段階」です。いわゆる「30人の壁」に突入する頃に、社長だけで会社を回すことが難しくなるケースも多いでしょう。

CTO(最高技術責任者)の採用タイミング

CTO(最高技術責任者/Chief Technology Officer)は、技術部や開発部のトップです。

会社の状況によるものの、早い段階から必要とされるでしょう。また、CTOに求める内容は「企業のフェーズ」によって異なるため、フェーズごとに人が入れ替わるケースも見受けられます。スタートの小規模な頃は、多くのプロダクトを早急につくる必要があるので、手を動かしながらチーム管理も実施します。企業が成長し中規模になると、取締役会レベルの意思決定も必要です。

CFO(最高財務責任者)の採用タイミング

CFO(最高財務責任者/Chief Finnancial Officer)は、財務や経理に関するトップです。組織の資金管理や、資金の観点から企業活動を指揮します。

CFOを採用するタイミングは、資金調達がある程度完了しこれから本格始動する段階である「シリーズA」の時期が目安です。シリーズAより前の「シード期」「アーリー期」であれば、社長が事業のかたわらで資金調達も可能です。

しかし「シリーズA」に到達すれば、必要な資金が多くなり財務に関する専任者が必要になります。

CMO(最高マーケティング責任者)の採用タイミング

CMO(最高マーケティング責任者/Chief Marketing Officer)は、企業経営の側面からマーケティング戦略を行なう責任者です。経営を念頭に置いたうえで、マーケティング部門の統括およびマネジメント・戦略立案などを実施します。

CMO採用は、マーケティングに比重を置きだすタイミングが多いでしょう。具体的な時期でいえば、前述のCFO(最高財務責任者)を採用するタイミングと前後する「シリーズA」の時期です。

CHRO(最高人事責任者)の採用タイミング

CHRO(最高人事責任者/Chief Human Officer)は、人事に関する最高責任者です。経営メンバーの1人として、人事戦略の立案・実行をします。日本企業が「少子高齢化による慢性的な人手不足」のなか、人材に関する意識が高まりつつあるため、CHROの需要も高まっています。

CHROの採用タイミングは、前述のCFO(最高財務責任者)やCMO(最高マーケティング責任者)と同様に、シリーズAの時期が多いでしょう。

CxO人材を自社に惹きつける方法

CxO人材は優秀な人が多いため、自社に魅力がなければ「この人を採用したい」と思ってもなかなか入社してもらえません。つまり、CxO人材を採用したい場合には、候補者の入社意欲を高めるような状況が必要です。

給与の基本的な水準をキープする

優秀な人が多いCxO候補について、「この人材がほしい」と思った際に、自社に惹きつけるコツはありますか?

関:優秀なCxO人材を採用したいのであれば、給与の基本水準をキープするのは最低条件です。水準をキープしなければ、それだけで【入社先の候補】から外されてしまいます。

また昨今では、CxO人材に「コンサル出身者」が増えています。コンサルの給料は、給与が高い傾向にあるといわれるケースが多い日本のIT企業よりも、給与水準が高いです。優秀なCxO人材を獲得したければ、コンサル会社の給与より高めに設定すると良いかもしれません。

魅力的なベースの上に余白を用意する

関:会社として魅力的な状態をつくったうえで、優秀なCxO人材が入り込める「余白」をつくると良いでしょう。なぜなら、CxO人材に「自分が入社すれば、より良い会社になりそうだな。入社して頑張ってみるか。」と思ってもらえるからです。恋愛に例えると、モテる異性と同じで「完璧なのにどこかぬけている」状況の会社が一番モテます。

また、昨今は「むちゃくちゃな現場」に好んで飛び込むCxO人材は減っています。はたから見ればきちんとした会社に、開拓されていない荒地を存在させる状況が理想です。

一定のクォリティを満たした謙遜

関:優秀なCxO人材に入社してもらいたい場合には、「会社として一定のクォリティを保持する」点は必須です。そのうえで「自社はまだまだです。CxOとして助けてもらえませんか?」と謙遜する姿勢が、CxO人材の入社意欲に火をつけます。

仮に、一定のクォリティを維持できていない会社が「自社はまだまだなので、助けてください」といっても効果はありません。一定水準をキープできない会社に対しては「CxO採用の前に、対応すべきことがあるのでは?」と思うものだからです。

CxO採用を成功させるコツ

CxO採用は「事業経営に直接かかわる採用」であるため、一般ポジションの採用より慎重に行なうケースは多いでしょう。また母数も少ないことから、少ない人数から、自社にあった優秀な人材を採用する必要があります。

ここでは、CxO採用を成功させるコツについて解説します。

今の関様から、創業期にCxO候補を探すご自身に対し「CxO採用を成功させるアドバイス」をする場合、どういったお声がけをしますか?理由も教えていただければ幸いです。

表面的なデコレーションでごまかさない

関:1つ目は「上手な口説き方」などの表面的なデコレーションでごまかすのではなく、事業をきちんと実施することです。(僕自身、きちんと行なっていたつもりではありますが)

CxO人材は優秀なので、表面的に装っても実態を見抜きます。そのため「良い事業をやる」「良い人材を採用している」「良いビジョンをもつ」を徹底的に実践する姿勢が大切です。

余裕をもって資金を準備する

関:2つ目は、「余裕をもった資金づくり」です。資金に余裕があれば、焦らず優秀なCxOを獲得しやすくなります。

CxO人材を採用したものの、合わないケースもあるでしょう。採用の的が外れると、事業計画が遅れる可能性もあるためギリギリのコストで採用活動を行なうと、遅れた計画を無理に戻そうとしがちです。余裕をもった資金状況づくりも、CxO採用の成功には外せないポイントです。

まとめ

CxO採用が成功すれば、組織におけるコーポレートガバナンス強化および、スムーズな企業経営が期待できます。またCxO採用では、自社に合った優秀な人材の獲得が不可欠です。

採用の成功は、コツを押さえた行動からはじまります。

たとえば、当記事で紹介したような「リファラル採用での獲得」も1つの方法でしょう。

知り合いやツテが少ないケースや、人材を効率的に採用したい場合には、人材紹介サービスの活用をオススメします。

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