日本の発展を支えてきた製造業は、今や衰退傾向にあると言われます。ものづくりで評価を得ていた日本の立ち位置の変化には、どういった背景があるのでしょうか?また、今後の製造業界における未来について、気になる人も多いでしょう。
そこで今回は、「大手企業入社・MBA取得・投資ファンドのヴァイスプレジデント」の経歴をもち、現在はキャディ株式会社で活躍する芳賀 亮太様のインタビューを通じて、製造業界の市場規模や今後を解説します。
製造業界の可能性について知りたい人をはじめ、スタートアップへの転職に関するヒントを得たい人も、ぜひ当記事をお役立てください。
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日本における「ものづくり産業」の現状
まずは、日本における「ものづくり産業」の現状について紹介します。
時価総額ランキング内の日本企業の少なさ
かつて日本は、「ものづくり大国」として知られていました。30年ほど前の1989年には、株式時価総額ランキング10位内だけでも、7社を日本企業が占めていたことが事実です。
しかし、失われた30年と揶揄されるように、2023年度の株式時価総額ランキングでは、トップ10内に日本企業の名前は見当たりません。実際にトップ100位を見ると、日本の企業では、39位にトヨタ自動車がランクインしているのみです。
30年ほどの間に、なぜ日本の製造業は、株式時価総額ランキングから大きく外れる結果になってしまったのでしょうか?次項にて、順位低下の理由を詳しく解説します。
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製造業界の市場規模とその理由
ものづくり大国として称賛されていた日本であるものの、昨今では「株式時価総額ランキング」の顔ぶれから日本企業が激減しています。日本における製造業界を考える際には、国内と国外の両視点からチェックすることが大切です。
国内の市場規模
国内総生産の産業別構成比は、2009年の製造業における割合は19.0%であり、10年経過した2019年も20.3%とほぼ変わりません。
引用元:経済産業省「我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」より
また製造業内の内訳を見ると、鉄鋼・非鉄金属・金属製品の売り上げ減少幅が大きいことがわかります。売り上げアップを実現する企業が最も多い分野は、化学工業です。
引用元:経済産業省「我が国ものづくり産業が直面する課題と展望」より
上記のことから、ひとくちに製造業と言っても、分野によって増減に差があると言えます。
国外の市場規模
三菱総合研究所が「IMD【世界競争力年鑑2022】」を分析した内容によると、日本の製造業における競争順位は34位(※63か国中)です。1996年までは日本の順位は5位以内だったことから、大幅な順位低下だとわかります。アジアおよび太平洋地域に限定した順位でも、日本は10位(※14か国中)です。
日本の製造業が衰退していると言われる背景には、日本以外の企業における勢いが増している点も挙げられます。こうした企業は、いち早くグローバル化やDX化を実現しています。日本の製造業を発展させるためにも、グローバル展開はもとより、属人的になりがちな製造業の「DX化をはじめとした生産効率性アップ」などが必要でしょう。
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製造業界における今後の変化について|着目ポイントも解説
衰退していると思われがちな日本の製造業界について、今後はどのように変化していくのでしょうか?変化を考える際には、以下の2点に着目するとよいでしょう。
労働人口減を踏まえたうえでの付加価値
芳賀:製造業は、日本の戦後を建て直し、昨今までの日本を支えてきた重要な産業です。一方日本では少子高齢化による労働人口減が続き、製造業への従事者も減ってきています。製造業での労働人口減少が今後も避けられないなかで、ソフトウェアやテクノロジーへの台頭など、ものづくりへの価値がシフトしていると感じます。
技術に対応しものづくりをすすめることは重要であるものの、技術に頼るだけでは、ある程度の箇所で成長が止まってしまうでしょう。成長しつづけるには、ソフトウェアやテクノロジーにプラスした「付加価値」を見つけることが大切です。つまり、労働人口減を踏まえたうえで、製造業界を活性化するための付加価値を見出すことが必須となるでしょう。
日本の製造業における強みのアップデート
芳賀:日本の人口減は止まらず、製造業に対する従事者の減少も避けられません。人口減がこの先もすすむなかで、「日本における製造業の強みはどこにある?」と聞かれても、明確な回答は出ていないことが現状です。戦後復興における日本の製造業においては、強みとして「高品質なものを安価で提供できる」という点が挙げられました。
強みが明確だからこそ、日本の製造業が必要とされ、かつては「ものづくり大国」として称賛されたわけです。
これから日本の製造業を盛り上げるには、日本企業が選ばれるだけの強みが必要です。昨今では、日本のものづくり全体に対する強みがピンぼけし、明確な答えがさだまっていません。そのため、製造に関わるさまざまな企業が強みのアップデートに挑んでいます。日本の製造業界は今後、発展を目指すべく「強みのアップデート」に挑戦していくでしょう。
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衰退と言われる製造業に転職した理由
衰退していると言われる製造業に対し、大手商社・MBA取得・投資ファンドでのヴァイスプレジデントといった華やかな経歴を経たうえで、製造業に転職した芳賀様。製造業に転職した理由は、どういったものなのでしょうか?
ものづくりへの愛着と想い
芳賀:私は大学院時代に、工学系の研究をしていました。そのため、ものづくり産業への愛着は当然ありますし、ものづくりに「ビジネスの観点で関わりたい」という思いももっていました。つまりものづくりは、私のルーツでもあります。
また、製造業は巨大化しているにもかかわらず、属人的であったり古いマイナス構造を抱えている部分があります。こうしたものづくり産業に対し「新しい風を吹き込みたい」や「新たな挑戦をしたい」と考えたことも、製造業に挑戦したいと感じたきっかけです。
新しい産業を生むスタートアップで挑戦したい
芳賀:40歳になる手前のタイミングで、自分の人生について、この先「どういったことに時間を使おうか?」と悩んでいました。さらに人生を賭けられるような仕事をしたいと考えていたところ、キャディ株式会社に出会いました。
日本に新たな産業を輩出している「スタートアップ」の存在は、欧米などに比べればまだまだ規模が小さいため、可能性が無限にあります。キャディ株式会社のこうした部分に惹かれると同時に、自身のルーツである製造業を行なう現職。加えて多くのメンバーが難しい課題に全力で取り組む社風にも魅力を感じたため、入社をするに至りました。
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まとめ
日本経済を支えてきた製造業は、昨今では衰退傾向にあると言われます。しかし、再び「日本の製造業における強み」を見出し、グローバル化やDX化を視野に入れれば、発展していく可能性は大いにあるでしょう。
今回インタビューに応じてくださった芳賀様は、製造業の可能性を信じてキャディ株式会社に転職し、やりがいに満ちた日々を過ごしています。
自身の経験・スキルを活かしたうえで、スタートアップ企業や「キャディ株式会社」で意欲的に働きたい方は、スタートアップ企業の転職に強みがある転職支援サービスを利用するとよいでしょう。BNGパートナーズは、スタートアップやベンチャー企業における「ハイクラス人材」「CxO人材」の転職に強みをもっています。スタートアップでレベルアップしたいと考える人や、ハイクラス人材に強い転職サービスを利用したいと考える人は、BNGパートナーズの転職支援サービスをご検討ください。