『大手企業からスタートアップへ~経験を自身の価値へとつなげる~』

昨今では、大手企業からスタートアップへの転職が増えています。背景には、時代の流れによる価値観の変化や、スタートアップだからこそ得られるメリットなどが挙げられます。

とはいえ、実際に大手企業からスタートアップへ転職した場合、どういったメリットがあるのでしょうか?そこで当記事では、実際に大手企業からスタートアップへ転職をされた成功者へのインタビューを通じ、真相について解説します。

インタビューにお答えくださったのは、キャディ株式会社のコーポレート本部長、芳賀亮太 様です。

大手企業からスタートアップへの転職による考え方の変化

冒頭でお伝えした通り、昨今では大手企業からスタートアップへの転職事例が増えています。スタートアップへの転職が増えた背景には、スタートアップへの転職に対する「ビジネスパーソンの考え方」が変化した点も挙げられるでしょう。ここでは、大手企業からスタートアップへの転職に対する考え方について、昔と今を比較します。

昔の考え方とは?

ひと昔前は、終身雇用が当たり前であり、転職という言葉自体にネガティブイメージをもつ人も多く見受けられました。とくに大手企業からスタートアップへの転職であれば、周囲から「大手企業という安泰を手にしたのに、なぜスタートアップに行くのか?」と思われたものです。終身雇用が当然な時代においては、安定した収入が重視され、大手企業で定年まで勤めあげることは1つのステータスでした。終身雇用が一般的な時代下において、大手企業というステータスを捨ててまで、スタートアップに転職する人は少数派でした。

今の考え方とは?

昨今では終身雇用の衰退によって、1つの会社で定年まで働くといった考えをもつ人が減り、転職が日常化しています。加えて、働き方の多様化・人々の価値観が変化した背景から、仕事に求める要素として、働きがいを重視する人が増えています。そのため、大手企業がもつような安定感やブランドよりも、自分にとって「働きがいがある会社」への転職を重視する人が増加しているのです。とくにスタートアップ企業には、「ビジネスモデルが革新的」「企業の成長速度がはやい」といった特徴があるため、こうした部分に魅力を感じて転職する人も多いでしょう。

昨今においてスタートアップへの転職が増えている理由

昨今において、スタートアップ企業への転職が増えている理由は、どういったものなのでしょうか?主な理由は、以下の通りです。

スタートアップの倒産リスク低下

スタートアップというと、革新的なビジネス体系で事業をはじめる印象から、不安定で倒産リスクが高いなどのイメージをもつ人もいるでしょう。しかし昨今では、スタートアップといっても、ある程度成熟し「シリーズB」や「シリーズC」に到達した企業も見受けられることから、スタートアップ企業全体の倒産リスクは減少傾向にあります。そのため、大企業のような安定した環境下にいた人であっても、スタートアップへの転職を考えるケースが増えています。

自身の付加価値を高めたい人が増えている

先行き不透明な世の中において、自身の付加価値を高めなければ生き残れないと考える人もいるでしょう。昨今では仕事に対し「やりがい」を重視する人が増えており、こうした需要にもスタートアップは合致します。スタートアップは新たなビジネスモデルを扱うため、学びの機会が多く、自身の付加価値を高められる環境が整っているからです。自身の付加価値を高められる環境は、モチベーションアップにつながり、やりがいを増長させます。

スタートアップならではのチャンスに期待

スタートアップは、革新的なビジネス体系を確立したうえで、急成長を目指すことが特徴です。急速にビジネスを展開するスタートアップの可能性に魅了され、投資する人も見受けられます。実際にスタートアップへの資金流入は拡大しており、これらをベースに新たなビジネスモデルや技術を導入し、業界の常識を塗り替えるケースも多いでしょう。スタートアップならではのチャンスに期待し、自身も成功をつかみたいと考える人が増えたことも、転職者が増えた背景の1つです。

大手企業からスタートアップへ転職するメリット・デメリット

大手企業からスタートアップへの転職には、メリット・デメリットがあります。当項目では、実際に大手企業からスタートアップへの転職を実現した実際の声を紹介します。

メリット

芳賀:大手企業からスタートアップへ転職した際に、「自分とは異なる考え方をする人」「異なる経験を重ねた人」などに触れ、価値観が際限なく広がることを感じました。1つの会社に居れば、その会社でのやり方を習得したうえで地位を築けます。

しかし、そこで通用したやり方が、別の会社で通用するとは限りません。とくにスタートアップのような、今までにないような事業にスピード感をもって取り組む組織では、前職のやり方が通用しないと思ってよいでしょう。スタートアップへの転職によって、取り組む問題の難易度が上がった分、自身のモノの見方や思考が変化し、新たな価値観がプラスされていくことを日々実感します。また私が入社した際の従業員数は100名ほどだったものの、2年半が経過した今では、5倍規模の500名に到達しています。

とはいえ、自社の採用は一切妥協をしないため、人数が増えてもハイパフォーマーが揃っている点は変わりません。ハイパフォーマーに囲まれながら革新的な仕事に携わっていると、刺激的な日々を過ごせるのはもちろんのこと、自分自身がどこまでやれるかという「ポテンシャル」も引き出されます。

デメリット

芳賀:デメリットは、一般的な企業よりも、リスクが高い傾向にあることです。スタートアップは「革新的なビジネス」を扱い、急成長を目指すという関係上、事業がうまくいかない可能性も大いに考えられます。すべてが最初から順風満帆にすすむとは限らないので、リスクを理解したうえで、「うまくいかなければこのようにしよう」といった、自分なりの考えをもつことが大切です。

スタートアップへの転職で気をつけるべきこと

スタートアップへの転職では、スタートアップだからこそ気をつける内容があります。

主な注意点は、以下の通りです。

最初から順風満帆ではないと理解する

芳賀:スタートアップは多くのチャンスがあり、軌道に乗れば、一気に上昇気流に乗って高いところまで到達できます。しかし、先述の通り最初から順風満帆とは限りません。またスタートアップは前例のない道を歩むため、スタッフに求める内容も高い傾向にあり、要求された内容を最初からうまくこなせるとは限らないでしょう。

そのため、「最初からすべてがうまくいく」といった考えでは、スタートアップでの日々を乗り切れない可能性があります。

候補先を調べ納得したうえで転職する

芳賀:スタートアップへの転職では、すべてが追い風とは限りません。うまくいく部分もあれば、一筋縄ではいかない部分も存在するでしょう。

そのため、転職の候補先について「〇〇が良い部分で、〇〇が自分にとってデメリット」などと把握し納得したうえで転職すると後悔が少なくなります。転職候補先の調査では、自身で調べるのはもちろんのこと、候補先の関係者と直接的に接触しリアルな声を聞くこともオススメです。

適度に合う会社を選ぶ

芳賀:合わない会社への入社は、スタートアップに限らず、自身にとってのマイナス要素が多いでしょう。

しかし自身と完全に合致する会社に入っても、努力せずに日々を過ごしてしまうことから、成長にはつながりません。スタートアップに転職する醍醐味の1つは、成長スピードのはやさです。そのため「合わない部分もあるけれど適度にマッチする」会社に入ることで、着実に成長できるでしょう。

転職におけるキャリアの考え方

転職におけるキャリアについて、どのように考えたらよいかと悩む人は多く見受けられます。とくに大手企業からスタートアップへの転職であれば、将来が大きく変わる可能性もあるため、考え込んでしまいがちです。ここでは、転職におけるキャリアの考え方について、当事者の意見も交えながら解説します。

年収だけにとらわれない経験という絶対的な付加価値

芳賀:巷では「転職で年収アップ」というキャッチフレーズを見かけるものの、年収だけにとらわれると、キャリアについて迷いが生じます。なぜなら、希望通りの年収を満たした企業に転職したからといって、キャリアアップできるとは限らないからです。年収とキャリアは別のベクトルと考えるとよいでしょう。

また年収は、結果的についてくるものです。転職におけるキャリアを考える際には、年収だけにとらわれず「経験という絶対的な付加価値」を見出せるかで判断することが大切です。

必要なチャレンジだと考える

芳賀:これからの時代、終身雇用という考え方はさらに薄れていき、今以上に人材の流動性があがるでしょう。1つのやり方しか知らない人は、流動化の波に乗りにくくなるのはもとより、自身の市場価値を高めることが難しくなります。

将来的にも、ビジネスシーンから必要とされる人材になるには、転職でキャリアを積むのは必須だといっても過言ではありません。

新たな世界への挑戦は不安なものの、何事も挑戦しなければはじまらないでしょう。転職におけるキャリアも、必要なチャレンジだと考えることが大切です。私自身も、現職を含めすべての転職において迷いがありました。しかし、「行動して正解だった」と思っています。

まとめ

大手企業からスタートアップへの転職は、経験を自身の価値へとつなげる有意義なものだとわかりました。とはいえ、メリットだけではなく、デメリットや注意点も存在します。

スタートアップへの転職を考える場合には、有意義な転職が叶う方法を選ぶとよいでしょう。

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