スタートアップの年収は大手と比較して高い?転職時の注意点を解説

本記事では、スタートアップの平均年収や年収事情について詳しく解説します。また転職するうえで知っておきたいポイントについても解説するので、スタートアップへの転職を検討している方は参考にしてください。 



目次[非表示]

  1. スタートアップの平均年収はどのくらいなの?
  2. なぜスタートアップ企業の年収は高いのか?
  3. スタートアップ企業の年収事情
  4. スタートアップ企業のよさは年収だけでは判断してはいけない理由
  5. スタートアップに転職するうえで知っておきたい3つのポイント
  6. まとめ

スタートアップの平均年収はどのくらいなの?

まずは気になるスタートアップの平均年収はどのくらいなのかを、詳しく見ていきましょう。

スタートアップ企業の平均年収は約650万円

日本経済新聞社がまとめた2022年「NEXTユニコーン調査」によると、スタートアップ企業の平均年収は約650万円だったことが分かっています。

一方で国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」によると、2021年の1年を通して働いた日本人の平均年収は443万円であり、スタートアップは日本の平均年収と比較しても年収が高いことが分かりました。

なぜスタートアップ企業の年収は比較的高い水準にあるのか、その理由については後ほど詳しく解説いたします。

スタートアップ企業の年収は業種によって差がある

スタートアップ企業の年収は業種や業界によって差があります。
基本的に年収の高い業種や業界は「IT・インターネット関連・医療系」などです。これらの業種や業界は勢いもあり、業界全体の年収も高いと言われています。

一方で停滞・衰退産業に関わる業種などは、スタートアップでも年収が低い傾向にあります。

なぜスタートアップ企業の年収は高いのか?

なぜ平均年収と比べるとスタートアップ企業の年収は高いのでしょうか。その理由について、以下で詳しく見ていきましょう。

新卒者が少なく経験のある人材が多い

大手企業やメガベンチャーなどと比べるとスタートアップ企業は新卒者が少なく1度別の会社でスキルを身に着けたり経験を積んだりしてから、スタートアップ企業に転職するという人が多い傾向にあります。

一方で大手企業やメガベンチャーは新卒採用を積極的に行い、人材を育てていく環境が整っています。そのため平均年収も、経験者が多く新卒者の少ないスタートアップ企業より低くなりがちです。

優秀な人材を獲得するためにコストをかけている

大手企業やメガベンチャーなどと比較して資金力のないスタートアップ企業では、できるだけ人件費を削減する傾向があります。人件費を削減することによって、その分のお金を事業拡大などに費やすことが目的です。

そのため優秀な人材を確保するためにコストをかけて、採用人数を必要最低限に絞っているのがスタートアップの特徴と言えます。
こういった背景があるので、スタートアップ企業の平均年収は大手企業やメガベンチャーなどと比較しても、高い数字になることが多いのです。

勢いのある業界の企業が多い

スタートアップ企業の特徴として、ITや医療など勢いのある業界に関連した企業が多いことが挙げられます。

特にITや医療などは、他の業界と比べても利益率が高いのが特徴です。そのため優秀な人材を獲得するためにお金を投資する余裕があり、必然的に年収が高い人が多くなります。

スタートアップ企業の年収事情

経験豊富な人が多く新卒採用も少ないスタートアップ企業において、年収事情はどうなっているのか見ていきましょう。

年齢関係なく高収入が狙える

スタートアップ企業の年収事情として、年齢関係なく高収入が狙えるという特徴が挙げられます。基本的に大手企業やメガベンチャーなどでは、毎年新卒者を大量に採用して1から時間とお金をかけて人材育成を行っています。

一方で資金が限定的なスタートアップ企業では、人材育成にお金を投資する余裕はほとんどありません。
そのため優秀な人材であれば、年齢に関係なく高収入が狙えるのもスタートアップ企業の独特な年収事情と言えるでしょう。

副業を認めている企業が多い

スタートアップでは、副業を認めている企業も多いという特徴があります。
これは副業でさまざまな経験を経て身に着けたスキルを本業で活かしてもらおうという考えが前提としてあります。

そのため本業の収入は低かったとしても、副業で稼いでいる人が多いのも大手企業とは異なるスタートアップの特徴と言えるでしょう。

ストックオプションやインセンティブを採用している企業が多い

スタートアップでは、ストックオプションやインセンティブを採用している企業が多いのも大手企業の違いとして挙げられます。
ストックオプションとは、会社が個人に対して、特定の金額で株式を購入する権利を与えることです。またインセンティブは成果報酬のことです。

ストックオプションやインセンティブは、会社の業績が良くなればなるほど利益を得れるので、従業員が業績を良くしようとする原動力にもつながります。

ストックオプションについては、「ベンチャー企業のストックオプションとは?実態や注意点を解説」をご覧ください。

スタートアップ企業のよさは年収だけでは判断してはいけない理由

平均年収が高いからと言って、スタートアップへの転職を安易に判断してはいけません。

なぜ年収だけでは判断してはいけないのか、その理由について以下で詳しく見ていきましょう。

残業代が出ない可能性がある

スタートアップ企業では、残業代が出ない可能性があるので注意が必要です。

一般的には固定労働時間よりも働けば残業代が発生するという認識ですが、残業代にもさまざまな種類やルールがあります。スタートアップなど規模の小さい企業では、次のような残業に関するルールを採用しているケースが多いです。

【スタートアップ企業が採用しがちな残業に関するルール】
裁量労働制…あらかじめ企業と協定で定めた時間を労働時間とみなす制度のこと。定められた時間より残業をしたとしても、労働時間は一定のものとして扱われてしまう。

固定残業代制…あらかじめ一定時間の残業代を給料に含めて支払う制度のこと。そのため定められた時間より残業したとしても、支払われる残業代は同じ。

一見給与が多いように見えても、スタートアップでは上記のようなルールを採用して残業代を抑えている場合があります。スタートアップに転職することを検討しているのであれば、必ず残業代の取り扱いはどうなっているのか事前に確認しておきましょう。

残業に関する情報は「実は見落としがち?残業の定義をわかりやすく解説」をご覧ください。

福利厚生制度が整っていないことも

スタートアップ企業の多くは、大手企業と比較すると福利厚生制度が整っていません。
各種手当や保養施設の利用など、大手企業は福利厚生制度が充実しています。

一方でスタートアップ企業は福利厚生制度が充実していない場合が多いので、総合的に見ると大手企業の方が魅力的という場合もあるでしょう。

大企業などと比較して安定していない

スタートアップ企業は設立してから間もないところが多いので、大手企業などと比較すると経営が安定していない場合があります。

そのため経営不振によって、突然業務内容が変わってしまったり、給料が下がってしまったりする可能性もあると言えるでしょう。

スタートアップに転職するうえで知っておきたい3つのポイント

ここではスタートアップ転職するうえで、事前に知っておきたい3つのポイントについて解説します。

スタートアップで働くメリット・デメリット

スタートアップで働くメリットは以下のとおりです。

【スタートアップで働くメリット】

・新しい価値を社会に提供できる

・一人ひとりに裁量権がある

・決定権をもったポジションで働きやすい

・企業としての成長を身近に感じられる

・経営陣との距離が近い

ここまで解説してきたように、平均年収は高いように見えても、スタートアップは従業員数も少なく企業規模も小さいです。最も一人ひとりが裁量権をもった立場で働くことができるので、大手企業と比べて企業としても個人としても成長を感じやすく、やりがいのある環境と言えるでしょう。

次にスタートアップで働く場合のデメリットをみていきましょう。

【スタートアップで働くデメリット】

・給与面や福利厚生などの待遇面はよくない

・ハードワークになりやすい傾向がある

・大企業や中小企業と比較すると安定していない

スタートアップで働く最大のデメリットは、大手企業などと比較すると経営が安定していない点です。スタートアップのフェーズによっては事業が赤字のケースもあるので、場合によっては将来的に会社が潰れてしまい働き先がなくなってしまうこともあります。

またここまで解説してきたように、福利厚生や待遇面などでは大手企業と比較しても整っていないことがほとんどです。従業員数が少ないので、一人ひとりの労働量も増えてしまいハードワークになりやすい傾向もあります。

スタートアップに向いている人・向いていない人の特徴

スタートアップに向いている人の特徴は、以下のとおりです。

【スタートアップに向いている人の特徴】

・仕事に対して積極的に取り組める

・経験のない事態に柔軟に対応できる

・常に変化や刺激がある環境を求めている

・将来自分も独立や起業を考えている

短期間で急激な成長を目指すスタートアップにおいては、突然業務の進め方や事業方針が変化するという場合も多いです。
そのためこれまで経験したことのない状況に対しても柔軟に対応して、積極的に楽しみながら仕事に取り組める人がスタートアップに向いていると言えるでしょう。

一方でスタートアップに向いていない人の特徴は以下のとおりです。

【スタートアップに向いていない人の特徴】

・安定した環境で働きたい

・一つの仕事に集中したい

・仕事に対して受動的な人

・仕事とプライベートの区別をはっきり分けたい人

スタートアップでは前例のない事業に取り組むため、常に想定外のことが起きる可能性があります。そのため安定した環境で働きたい人や、1つの仕事に集中したいという人には向いていません。

また業務が幅広くハードワークになりがちなので、仕事とプライベートの区別をはっきり分けたいという人にもスタートアップはあまり向いていないと言えるでしょう。

スタートアップを選ぶポイント

スタートアップ企業へ転職する場合、以下の4つのポイントを基準にして選ぶのがおすすめです。

【スタートアップを選ぶときの4つのポイント】

・企業のビジョンやサービスに共感できるか

・事業の規模と自分の能力や考えが適しているか

・市場の成長性があるところで事業を展開しているか

・他の企業と比べて優位性はあるか

こういったポイントを抑えて転職先のスタートアップを選べば、後からミスマッチが起きることを防ぐことができます。

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まとめ

スタートアップの平均年収は、新卒者が少なく経験のある人材が多いので、平均年収よりも高い傾向にあります。

そのため成長しているスタートアップで働けば、年齢関係なく高収入が狙えることはもちろんのこと、企業の業績によってストックオプションをもらえることもあります。

ただし経営がうまくいっていないスタートアップ企業もあるため、スタートアップに転職する際はその企業の経営がうまくいっているかさまざまな観点から分析して見抜く必要があります。

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