多種多様な業界の企業が抱えている問題点や悩みを、専門的な知識や経験に基づいて解決するのがコンサルタントの仕事です。本記事ではコンサルティング業界について、コンサルタントの具体的な業務内容や働くうえでの魅力的なポイント、またコンサルティング業界で働くのが向いている人の特徴について解説します。
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コンサルティング業界とは
コンサルティングは、企業が抱えている経営上の問題や課題に対して、中立的な立場から改善方法を提案・サポートする仕事のことです。
事業に関する情報を分析して、人事・労務・会計など、あらゆる側面からクライアントのサポートをします。
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コンサルティング業界における5つの業種
コンサルティング業界はさまざまな種類があり、主に次の5つにグループ分けされます。
【コンサルティング業界における5つの業種】
・戦略系 ・人事系 ・IT系 ・シンクタンク系 ・総合系 |
それぞれの特徴や違いを以下で詳しく解説していきます。
戦略系
戦略系コンサルティングファームとは、クライアントの企業が抱えている経営課題を発見し、解決するための戦略を立てる企業・組織のことを指します。
アメリカや欧州を拠点とした企業が多く、国にとらわれずグローバルに展開しているのが特徴です。
従来は「大企業の経営・幹部陣に対して分析をもとにした解決案や改善案を提示する」といったイメージがありましたが、現在ではクライアントをサポートする存在として、企業戦略の立案から実行まで寄り添って行う側面が強い傾向にあります。
人事系
人事系コンサルティングファームとは、企業の採用・人事制度や人材育成などの課題を解決する企業・組織のことを指します。
組織の構築から人事戦略に関する立案など、企業の人事における上流領域のサポートを行うのが特徴です。
IT系
IT系コンサルティングファームとは、クライアント企業の経営戦略上、最適なIT投資手法となる計画立案・実行、必要なツールの導入支援などを行う企業・組織のことを指します。
また費用対効果やITツール導入のスケジュール調整を含めた、システムの分析や選定に関してもIT系コンサルタントの役割です。
シンクタンク系
シンクタンク系コンサルティングファームとは、地方自治体や政府などの公共機関から依頼を受けて、情報収集や調査、データ分析に基づいた政策の提案、コンサルティングなどを行う企業・組織のことです。
政府などの公共機関が学校教育へ投資を行う場合、シンクタンク系コンサルティングファームが必要な情報を収集調査して、分析したデータに基づき学校に投資する費用を決定します。
シンクタンク系コンサルティングファームの多くは、日本の銀行や証券会社が親会社であるため、グループ全体で高度な知識や豊富な経験を有しており、それに基づいたコンサルティングを行うのが特徴です。
総合系
総合系コンサルティングファームとは、業界や業種問わずにあらゆるクライアントに対してコンサルティングを提供する企業・組織のことです。
さまざまな経営課題を取り扱っているため、企業の中で業界や領域別にチームを分けています。一般的には「業界別チーム(金融・製造業・通信・エネルギーなど)」と、「機能別チーム(戦略・会計・人事組織など)」のように、チーム分けをしている企業が多いです。
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コンサルタントの業務内容と役職
ここでは、コンサルタントの業務内容と役職ごとの違いについて詳しく解説していきます。
コンサルタントの業務内容
コンサルタントの主な業務内容は、クライアントである企業の依頼や希望に応えることです。
たとえば具体的な業務の内容として、日本企業が海外企業を買収する際に必要な情報収集や、買収に必要不可欠な企業価値の算定などが挙げられます。
海外企業を買収するかどうかはクライアント企業の判断になるため、コンサルタントはクライアントが必要な情報を収集したり、アドバイスをしたりするのが主な業務です。
コンサルタントの役職
コンサルティングファームでは、一般の企業と同様にいくつかの役職分けがされています。役職の名称と業務内容は、以下のとおりです。
【コンサルタントの役職名称と主な業務内容】
役職名称 |
主な業務内容 |
パートナー |
・企業の共同経営者として、経営における重要な意思決定やプロジェクト運営に関する最終的な責任者を務める |
マネージャー |
・あるプロジェクトマネジメントの責任者や人材採用・教育など幅広い業務を行う |
アソシエイト |
・マネージャーの指揮下で、各プロジェクトを遂行する |
アナリスト |
・マネージャーやアソシエイトの下で、情報収集やデータ分析などを行う |
※なおコンサルタントの役職名称に関しては、企業によって異なります。
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コンサルティング業界の魅力的なポイント
コンサルティング業界で働く魅力的なポイントは、以下の3点です。
・クライアントと良好な関係構築をするスキルが身につく ・大規模なプロジェクトに関われる ・平均収入が高い |
それぞれのポイントについて、以下で詳しく見ていきましょう。
クライアントと良好な関係構築をするスキルが身につく
ここまで紹介してきたように、コンサルタントの主な業務はクライアントに寄り添って、課題や問題の解決策を提供することです。
つまりどれだけすばらしい解決案を考えることができたとしても、それがクライアントの悩みからずれては意味がありません。
同時に、すばらしい解決策だったとしても、クライアントからこの人にお願いしたいと思ってもらえなければ、その案は無駄になってしまいます。
そのためコンサルタントには高いコミュニケーション能力が要求され、クライアントと良好な関係構築をするスキルが必要なのです。
このようにコンサルタントとして働くことで、クライアントと良好な関係構築をするスキルや、クライアントが抱えている本当の悩みは何なのかを引き出すコミュニケーション能力を身につけることができます。
大規模なプロジェクトに関われる
コンサルタントは、クライアントに対して経営方針へのアドバイスや企業戦略の立案など、企業の方針を決める一端を担います。
そのため自分自身が進めたプロジェクトで成功を収めた場合、自分の力によって企業や世の中に影響を与えていることを実感でき、仕事にやりがいを感じられるでしょう。
大規模プロジェクトに関われる可能性もあるので、協力しながらプロジェクトを達成するという経験を得ることもできます。
平均収入が高い
所属するコンサルティングファームによっても異なりますが、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、コンサルタントは平均年収が1,030万円です。
国税庁の民間給与実態調査に基づく日本人の平均年収は「約461万円」なので、コンサルとして活躍することができれば、平均年収の倍以上の金額を稼ぐことが可能です。
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コンサルティング業界で働くのが向いている人
コンサルティング業界で働くのが向いている人の特徴は、以下のとおりです。
・論理的な思考ができる人 ・コミュニケーション能力がある人 ・向上心がある人 |
それぞれの特徴について、以下で詳しく見ていきましょう。
論理的な思考ができる人
コンサルタントは、常にクライアントから客観性を持ったデータや結果を求められます。
そのため、コンサルタントはさまざまな調査や分析を行って、なぜそのような解決策が導き出されたのかを合理的に説明する必要があります。
合理的な説明を行うためには、論理的な思考が欠かせません。コンサルタントの行う業務では、あらゆる場面で論理的な思考に基づき筋道の通った理論展開で話を進めることのできるスキルが必要となります。
コミュニケーション能力がある人
コンサルタントのクライアントは企業であったとしても、実際に相手となるのは「人」です。
発注部署の担当者からその上司、さらには決定権をもつ経営陣に対して、どのように問題を解決するのか説明しなければなりません。相手を納得させてスムーズに業務を進めるためには、高いコミュニケーション能力が必要になります。
向上心がある人
企業のコンサルティングを行ううえで、コンサルタント自身が現状に満足してしまってはいけません。
働く環境や業績を向上させる、採用人数をより多くするなど、常にクライアントである企業は現状以上のものを目指しているため、コンサルタントも現状維持で満足せずコンサルティング業務を通じて、クライアントである企業だけではなく、コンサルタント自身もさらに成長する必要があります。そのためには向上心は欠かせない素質と言えるでしょう。
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コンサルティング業界に転職するうえでの注意点
コンサルティング業界に転職する場合、次の3つのポイントに注意する必要があります。
・実力主義の業界 ・資料作成業務が多い ・労働環境が厳しい |
それぞれの注意点について、以下で詳しく見ていきましょう。
実力主義の業界
コンサルティング業界は、実力主義の業界です。コンサルタントは年俸制度を採用しているところが多く、勤務年数や年齢などに関係なく実力次第で給料が変動します。
実力さえあれば他の業界よりも稼ぐことが可能であり、より条件のよい企業へ転職することも可能です。一方で思うように結果を出すことができず、収入を伸ばせずに他の業界へ転職する人も存在します。
そのためコンサルティング業界で稼ぎたいと考えているのであれば、転職してからも自己研鑽や勉強に努める姿勢が重要です。
資料作成業務が多い
コンサルティング業界に転職したての場合、基本的には資料作成やリサーチ業務などが仕事の中心となります。
データやグラフなどは正確さが求められ、細かい部分にも気を配る必要があります。過去の経歴によっては、資料作成やリサーチ業務などを担当する期間が長引いてしまう可能性もあるでしょう。
せっかくコンサルに転職したのにやりたい仕事ができなかったと後悔することを防ぐためにも、転職したての時期は資料作成やリサーチ業務などが中心になることを念頭に入れておきましょう。
労働環境が厳しい
コンサルタントは抱える案件が重いので、1つのプロジェクトに対してかなりの労力が求められます。
クライアントである企業が利益をアップできるようにサポートすることが必要なため、企業の分析や改善案の考案を徹底していると必然的に労働時間が長くなってしまう傾向にあります。
クライアントの課題解決や業績向上という目的がある以上、コンサルタント自身にかかる責任も重いです。
業務をスムーズにこなしていくためには、効率よく仕事をこなしていくのはもちろんのこと、プレッシャーを抱えながら滞りなく業務を行えるかどうかというのも重要となります。
このように、コンサルタントの労働環境は厳しいため、耐えることができずに他の業界に転職してしまうという人も多いです。
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コンサルティング業界で働いている人のネクストキャリア一例
ここでは、コンサルティング業界で働いている人の主なネクストキャリアについてご紹介します。
事業会社で働く
戦略コンサルティングとして働いていた場合、業務を通じてさまざまな業界や職種の知識をつけることができます。
コンサルティング業務を通じて身につけた知識や経験を活かして、自分の興味が強い業界の事業会社へ転職して働くという人も多いです。
独立する
組織の改善や問題の解決を行ってきた経験や知識を活かして、独立して企業のコンサルティング事業を行う人も存在します。
立ち上げて間もないスタートアップへジョインする
過去の経験や培ってきた知識を活かして、シード期、アーリー期等、立ち上げて間もないスタートアップに参入するコンサルタントも存在します。
過去にさまざまな業界や企業の問題を解決してきた経験を活かし、コンサルタントのネクストキャリアとしてCOO等、事業やアイディアを生み出すフェーズで強みを発揮することも可能です。
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まとめ
コンサルタントは、企業が抱えている様々な問題や課題を解決するのが主な仕事です。日本の平均年収と比較しても、コンサルタントの平均年収は高く、コンサルタントとして働くことによってキャリアの選択肢が広がる場合もあります。
未経験からコンサルティング業界に転職することも可能ですが、将来のキャリアのことを考えると業界や転職先の企業は慎重に選ばなければいけません。
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