ラクスル株式会社(以下、「ラクスル社」)は、「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」を目指し、事業運営をしています。従来の「モノ」を中心とした事業領域にとどまらず、企業経営における「ヒト・モノ・カネ」すべての管理領域でのサービス提供を通じて、日本企業の約99.7%を占める中小企業の包括的な経営課題解決に取り組んでいます。
ハイクラス人材の採用支援を行うBNGパートナーズは、累計5,000社以上の企業と取引実績を持ち、多くのスタートアップの成長を支援してきました。その中でも、ラクスル社の急成長には特に注目しています。この成長背景を探るため、BNGパートナーズの事業部長岡本と担当コンサルタント高島が、ラクスル事業本部統括部長の木下氏とHRBPの寺師氏にインタビューを実施しました。その結果、ラクスル社の革新的なビジネスモデルと今後の成長戦略が明らかになりました。
お話を伺った方
ラクスル株式会社 執行役員
ラクスル事業本部 Marketing & Business Supply統括部 統括部長
木下 治紀氏
ラクスル事業本部 コーポレート統括部 HRBP
寺師 尚ノ介氏
※詳しいプロフィールは記事の最後に記載
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1分で読める記事要約
①「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」という企業ビジョンのもと、創業以来、印刷・広告・物流などデジタル化が進んでいない複数の産業領域における業界構造の変革に取り組んできた革新的な企業。
②サービスの拡張と顧客の拡張を両軸とする戦略で、多様なニーズに応える総合プラットフォームを目指す。
③2024年7月期、売上高511億円(前期比24.6%増)と好調。木下氏は「1兆円の時価総額を本気で目指している」と語る。
ラクスル社の理解が深まる3つの情報
ラクスル社について
2009年に伝統的産業の非効率さを解決するために創業され、「印刷・集客支援のプラットフォーム」を構築しました。現在は紙媒体以外のプロダクトカテゴリー・サービス拡張とともに、法人顧客に向けたソリューション提供の領域へも注力しており、さらなる事業拡大を目指しています。
ラクスル社の今後
ラクスル社は「End-to-Endで中小企業の経営課題を解決するテクノロジープラットフォーム」の構築を目指し、独自の成長戦略を展開しています。
現在、同社は取引効率化(デジタル化)に注力していますが、次の段階では業務支援(プロセス改善)へと発展し、将来的には経営支援(課題解決)まで視野に入れています。
この進化の過程で、ラクスル社は顧客企業の経営課題を総合的に解決するプラットフォームとしての価値を高めていくのです。
ラクスル社の両軸での経営戦略
ラクスル社の経営戦略は、サービスの拡張と顧客の拡張の両軸で展開されています。
サービスの拡張
サービスの拡張において、ラクスル社はただ印刷するだけでなく、印刷したものを配るというポスティングサービスからスタートし、その範囲を大きく広げています。また紙媒体だけでなく、アパレルやノベルティグッズ、段ボール・梱包資材、印鑑まで、多様なニーズに応える総合的なプラットフォームを目指しています。
これにより、顧客は一つの場所で多様なプロダクト・サービスを利用できるようになり、利便性が向上しています。
顧客の拡張
顧客の拡張において、ラクスル社は従来の中小企業向けサービスから、大手企業向けにも展開を進めています。「ラクスルエンタープライズ」の立ち上げにより、中堅〜大企業向けの包括的なソリューションを提供し、業界特有の課題解決やコスト削減を実現しています。
この両軸戦略を推進するために、ラクスル社は新規事業をドライブできる経営幹部人材を積極的に求めています。
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ラクスル社が求めるのは事業開発のプロフェッショナル
高島:今回、ラクスル社がBizDevの職種採用を強化された背景について教えていただけますか。
我々は、単一の事業を大規模に成長させるのではなく、複数の事業ポートフォリオを構築しながら成長していく戦略を掲げています。
ラクスル社が求めているのは、従来の常識にとらわれない、事業開発(BizDev)のプロフェッショナルです。
この戦略を実現するためには、以下のような人材が必要不可欠です。
・事業を変革できるビジネス開発の人材
・事業家、経営者としての資質や意欲を持つ人材
つまり、複数の事業を効果的に運営し、必要に応じて変革を推進できる人材を継続的に募集し、多角的な事業展開と持続的な成長を実現することを目指しています。
岡本:求める人物像についても詳しく教えてください。
具体的には、以下のような資質を重視しています。
・事業に対するオーナーシップ
・成長へのコミットメント
・ビジョン共感、カルチャーフィット
また、興味深いのは、ラクスル社の採用方針です。
高島:採用において、特に気を付けているポイントはありますか?
その中でもラクスル社では、”RAKSUL Style”という行動指針・基準を定めています。
RAKSUL Style(R・S・T・T)
・Reality(高解像度):実際の状況を自分の目で見て、経験・把握した情報に基づく課題設定を行うこと。また不確実なものを確実にしていくための、「仮説・検証・改善」のプロセスが回り、課題に対して優先順位付けやフォーカスが絞れるか。・System(仕組み化):非効率や属人性をいかにして取り除き、高度な技術や仕組み化を進めて問題解決にあたれるか。・Transparency(情報共有):情報の非対称性がなく、意思決定の背景・文脈について透明性のある情報連携がなされるか。協働するメンバーのミッションや担当領域を明確にして、仕事を任せあうチームが作れるか。・Team First(チーム構築):採用・プロモーション・組織作りを自ら行い、成果を最大化する強いチームの組成ができるか。また上記と併せて、逆算思考でゴールセットから活動設計・リソース設計ができるかや、特定のポジション・役割に囚われずに、事業やチームの成果に対してコミットメントできるか。などを大事にしながら、複合的な目線で個々の候補者の方と向き合いながら採用選考を行っております。
ラクスル社に関する疑問を徹底解説
このパートでは、BNGパートナーズが求職者からいただいた質問を直接ラクスル社の木下氏へお伺いします。
質問①ラクスル社が向き合う業界とは?
「印刷業界は縮小傾向にあり、成長の余地がない」—— これは多くの人が抱いている印象かもしれません。しかし、木下氏はこの常識を覆す見解を示しました。
高島:ラクスル事業部では印刷業界での事業展開をされておりますが、一部では縮小している業界というイメージを持たれる方もいらっしゃると思います。
この業界で事業推進する上での成長曲線をどう描こうとしているのでしょうか。
弊社の事業に関連する領域で言うと、印刷業界は6兆円、広告業界は3兆円、物流業界は10兆円という非常に大きな市場規模を持っています。
これらの産業における非効率な部分を変革し、新しい価値を提供することで成長を目指しています。
木下氏によれば、印刷業界には依然として大きな変革の余地があるといいます。
特に、デジタル化とオンデマンド化の流れは、業界に新たな成長機会をもたらしています。
デジタル化とオンデマンド化の流れにより、一括大量生産から、より個別化された需要へのシフトが起きており我々は、こういった新しいニーズに応える受け皿になることを目指しています。
質問②ラクスル社は今後も成長し続けるのか
ラクスル社の2024年7月期の業績は、目覚ましい成長を示しています。
連結売上高は511億2100万円に達し、前期比で24.6%の増加を記録しました。
特筆すべきは、主力のラクスル事業の売上高が前年同期比25.2%増と、高い成長率を維持していることです。さらに、売上総利益は前年同期比40.4%増と大幅に向上し、収益性の改善が顕著に表れています。営業利益は25億2300万円(前期比42.9%増)、当期純利益は21億1800万円(前期比59.4%増)と、いずれも大幅な増益を達成しており、同社の持続的な成長と収益力の強化を裏付ける結果となっています。
引用:ラクスル株式会社 2025年7月期第1四半期 決算説明会資料
質問③ラクスル社は結局何をやっている会社なのか?
木下氏は次のように説明します。
ラクスル社は仕組みを変える会社
また、印刷業界だけでなく、複数の伝統的産業にプラットフォームビジネスを展開することで、各産業のデジタル化と効率化を推進しています。
現在、第2創業期にあたり、経営体制を刷新し1兆円の時価総額を本気で目指しています。
岡本:経営体制の刷新は、まさに大きな転換点ですね。このような大きな変革期にある企業で、新しい価値創造に携わりたいと考える候補者は多いはずです。
BNGからの支援実績「通常のアプローチでは出会えないような人材を紹介してくれる」
ラクスル社はBNGとの連携を通じて、高品質な人材の採用に成功しています。
木下氏はBNGを通じて採用された人材について次のように評価しています。
高島:弊社からご紹介させていただいた人材についてご意見をお聞かせください。
他社と比べても、驚かされます。私たちの事業背景や組織戦略まで深く理解した上で、適切な方をご紹介いただいていると感じています。
具体的な採用事例として、FP&A(財務計画・分析)部門の立ち上げがあります。
高島:当時の課題感についても教えてください。
また、BNGとの連携の特徴として、木下氏は週1回のコミュニケーションを挙げています。
また同社のHRBPである寺師氏も次のように語っています。
※BNGパートナーズからの紹介実績(一部)
・FP&A責任者
・Bizdev/事業責任者候補
・CMO
・経営企画
・新規事業、サービス立ち上げにおける社外アドバイザリー
本インタビューを通じて、ラクスル社は、テクノロジーを活用して伝統的な産業を変革する革新的な企業であることが明らかになりました。
弊社のコンサルタントと面談を希望される方は下記からお申込みください。
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お話を伺った方の詳細情報
執行役員 ラクスル事業本部 Marketing & Business Supply統括部 統括部長
木下 治紀氏
経歴:2016年に新卒第1号としてラクスル社に入社。ラクスル事業の事業開発、DM事業責任者を経て、新規事業立ち上げにも携わる。2021年、株式会社ダンボールワン(当時)へ出向しPMIを担当、経営統合を完遂させた後、取締役COOとして事業全体を統括。
現在は印刷・集客支援事業およびエンタープライズ事業を管掌し、会社の成長戦略を牽引している。
ラクスル事業本部 コーポレート統括部 HRBP
寺師 尚ノ介氏
経歴:大手アパレル企業で法人営業と新卒採用を経験後、スタートアップで物流企画や人事制度設計を手掛け、現在はラクスル社でHRBP(HR Business Partner)として活躍中。キャリアを通じて営業、人事、物流、組織運営など多様な経験を積み、特にHR領域において採用戦略立案、人事制度設計、組織開発に注力している。
聞き手
スタートアップ事業部 事業部長 岡本勇一
経歴:2014年、BNGパートナーズに入社。現在は執行役員に就任し、経営層のヘッドハンティング事業を管掌。これまでに1,000名以上の経営幹部の採用支援に携わる。
コンサルタント 高島琉衣
経歴:BNGパートナーズに新卒入社。スタートアップ事業部のコンサルタントとして、スタートアップ・ベンチャー企業向けCxOや経営幹部人材の紹介に従事。入社3年目で通期トップの売上を達成するなど、若手ながら優れた実績を残している。