委任型執行役員とは
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企業の経営体制が多様化する中、「委任型執行役員」が注目されています。経営に近い立場で専門性を発揮できる点が特徴で、ミドルクラスのビジネスパーソンにとって新たなキャリアの選択肢の1つです。
本記事では、委任型執行役員の定義や従来の執行役員との違い、役割、求められるスキルを解説し、転職市場での需要やキャリア戦略についても紹介します。
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委任型執行役員とは
委任型執行役員とは
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企業の経営体制は、市場環境の変化や組織のニーズに応じて進化を続けています。その中で、柔軟な経営体制を実現するために、「委任型執行役員」が注目されています。
雇用型執行役員が企業と雇用契約を結び、従業員としての立場で経営に携わるのに対し、委任型執行役員は会社との契約形態が「委任契約」であり、より専門的な役割を担うことが特徴です。本章では、委任型執行役員の定義や契約の仕組み、従来の雇用型執行役員との違いを詳しく解説します。
委任型執行役員の定義と特徴
委任型執行役員とは、企業と「委任契約」を結び、経営の意思決定を実行する役職の一形態です。一般的な雇用型執行役員が、雇用契約に基づいて企業の経営に携わるのに対し、委任型執行役員は契約の自由度が高く、特定のプロジェクトや事業戦略の遂行に特化しています。
法的な観点では、委任型執行役員は会社法上の「役員」には該当せず、労働基準法における「労働者」でもありません。そのため、雇用型執行役員と比べて、報酬の決定や契約期間の設定が柔軟に行われます。一方で、労働法の適用を受けないため、企業とは対等な契約となり、業務内容や契約条件の交渉が重要となります。
参考記事:委任型執行役員の役割とは?任命するまでに注意したい4つのポイント
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委任型執行役員の主な役割
委任型執行役員の主な役割
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委任型執行役員は、専門的な知見を活かしながら経営陣の意思決定を実行し、企業の成長を加速させる役割を担っています。特に、経営陣と連携しながら戦略を推進するリーダーシップ、事業部門の業績向上を支援する実行力、そして専門分野におけるアドバイザーとしての知見提供は、企業の競争力強化につながります。委任型執行役員が果たすべき具体的な役割を詳しく解説します。
委任型執行役員は企業の成長を加速する役割を持つ
経営陣の意思決定を実行するリーダーシップ
委任型執行役員は、経営陣が策定した企業戦略を、現場レベルで実行に移す重要な役割を担います。企業の方針に基づき、組織を適切にリードし、経営戦略の実行を支援します。経営層との連携を密にし、現場の課題を迅速に把握しながら、意思決定を実行へと移すリーダーシップが不可欠です。
事業部門の業績向上とプロジェクト推進
委任型執行役員は、企業の収益向上に貢献するために、担当する事業部門の成長促進や具体的な施策の立案と実行が求められます。市場環境や競争状況を分析し、売上拡大や業務効率化のための戦略を立て、実際のアクションにつなげることが重要です。
特定の専門分野におけるアドバイザー的役割
委任型執行役員は、企業が抱える課題に対して、専門知識を活かした的確なアドバイスを提供します。特に、企業が新しい市場へ参入する際や、新たな技術導入を検討する際には、業界知識や専門スキルを持つ人材の助言が欠かせません。例えば、IT業界ではデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進、製造業では生産プロセスの効率化、金融業ではリスクマネジメントの強化などです。それぞれの分野における深い知見が企業の成長を支える重要な力になります。
企業の成長戦略に沿った業務遂行
企業の長期的な成長を支えるため、委任型執行役員は、短期的な業務改善にとどまらず、中長期の視点で経営をサポートする必要があります。市場の変化や競争環境を踏まえ、企業のビジョンに沿った施策を実行し、持続的な成長を実現する役割を担います。そのためには、経営層と綿密に連携しながら、財務、マーケティング、技術開発など多岐にわたる要素を考慮し、企業の競争力強化につながる戦略を策定し、推進していくことが求められます。
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委任型執行役員のメリット・デメリット
委任契約のメリットとデメリット
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委任型執行役員は、経営の意思決定を実行し、事業の成長を支える重要な役割を担います。その一方で、従来の執行役員とは異なる契約形態であるため、企業と個人の双方にとって特有のメリットとデメリットが存在します。
【個人視点】委任型執行役員のメリット・デメリット
【メリット】
取締役に比べて自由度の高い契約形態
委任型執行役員は、取締役のように法的な責任を負う立場ではなく、企業と委任契約を結ぶ形で業務を遂行します。そのため、特定のプロジェクトや事業領域に特化して関与できるだけでなく、契約内容に応じて柔軟な働き方が可能です。また、複数の企業と契約することもできるため、専門性を活かして幅広いキャリアを築けます。
経営に近いポジションでの経験を積める
企業の経営陣と直接連携し、意思決定を実行する立場にあるため、経営戦略の立案や事業推進に深く関与できます。経営の視点を学びながら、自身の専門性を活かして実務に携わることで、将来的により上位のポジションを目指すキャリアパスを描くことが可能です。
【デメリット】
契約ベースのため安定性に欠ける可能性
委任契約であるため、雇用契約のような終身雇用の保証がなく、企業との契約内容によっては一定期間で契約終了となる可能性があります。そのため、安定した給与や福利厚生を求める場合には、不向きな契約形態といえます。
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委任型執行役員のスキルと経験
委員型執行役員のスキルと経験
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委任型執行役員として成功するためには、経営の意思決定を実行し、企業の成長を支える高度なスキルと実績が求められます。特に、単なるマネジメントスキルにとどまらず、事業の推進力やリーダーシップ、専門的な知見、そして経営視点を持った柔軟な対応力が不可欠です。
企業側は、即戦力として活躍できる人材を求めるため、委任型執行役員としての役割を果たすためには、一定の経験やスキルが前提となります。
委任型執行役員として活躍するためのスキルと経験
事業推進力とリーダーシップ
委任型執行役員には、企業の戦略を現場で実行し、成果につなげる強い推進力とリーダーシップが求められます。企業の経営方針を理解し、それを部門やチームレベルに落とし込むことで、組織を動かし、目標達成を実現する力が必要です。
高い専門性(特定の業界・分野での経験)
企業の競争力を高めるためには、その業界に精通した専門知識と実績が求められます。例えば、IT分野ではデジタル技術の活用、製造業ではサプライチェーンの最適化、金融業ではリスク管理の強化など、それぞれの業界に特化した知識と経験が不可欠です。
経営戦略を理解し、実行できる能力
財務、市場、組織といった経営の多角的な視点を持ち、それを戦略として具体化し、実行できる能力が不可欠です。企業の収益構造や市場動向を把握し、成長を加速させる施策を立案・実行することが求められます。
柔軟な対応力と交渉力
委任型執行役員は、変化の激しい環境に適応し、企業の内部調整を円滑に進める役割を担います。経営層と現場の橋渡しを行い、ビジネス環境の変化に即応するための柔軟な対応力が求められます。また、経営戦略の実行過程では、社内外の関係者との調整や交渉が必要となるため、高いコミュニケーション能力も欠かせません。
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転職市場における委任型執行役員の需要
委任型執行役員の転職市場
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委任型執行役員が求められる業界・企業の特徴
委任型執行役員は、特定の企業や業界で特に需要が高まっています。企業の経営戦略や市場環境によって求められるスキルや役割は異なりますが、大きく分けて「事業改革を進める企業」「成長戦略を推進するスタートアップ・中堅企業」「特定分野の専門知識を求める大企業」において、積極的に登用が進められています。
事業改革を進める企業
市場環境の変化に対応し、競争力を維持・向上させるために事業改革を進める企業では、委任型執行役員が求められるケースが多く見られます。例えば、経営の効率化やコスト削減、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、業務プロセスの再構築といった課題に直面する企業において、外部の専門家としての知見を活かしながら変革をリードする役割が期待されます。
成長戦略を推進するスタートアップ・中堅企業
急成長を目指すスタートアップや中堅企業にとって、経営体制の強化は重要な課題の一つです。特に、組織の拡大や新規市場の開拓を進める段階では、限られたリソースの中で的確な意思決定を行うために、外部の専門知識を持つ委任型執行役員を登用するケースが増えています。
特定分野の専門知識を求める大企業
大企業においても、特定分野の専門知識を持つ人材を短期間で登用し、経営戦略の一環として活用するケースが増えています。社内にはない外部の知見を導入することで、企業の成長を支援し、競争力を強化する狙いがあります。
近年の転職市場の傾向
近年では、企業が外部のプロフェッショナル人材を経営層に迎え入れるケースが増えています。特に、フリーエージェント型の経営人材の増加や、高度専門職のエグゼクティブ市場の拡大が大きなトレンドとして注目されています。
フリーエージェント型経営人材の増加
企業の経営環境が急激に変化する中、経営課題に柔軟かつ迅速に対応するために、フリーエージェント型の経営人材が増加しています。これは、企業と雇用契約を結ばず、特定のプロジェクトや事業戦略の遂行に特化して参画するエグゼクティブのことを指します。特に、スタートアップや事業変革期にある企業では、短期間で成果を出せる外部の経営人材を活用する動きが活発になっています。
高度専門職のエグゼクティブ市場拡大
経営層に求められるスキルの高度化に伴い、専門領域に特化したエグゼクティブ市場が拡大しています。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)、サステナビリティ(ESG経営)、グローバル戦略など、特定の専門分野で深い知見を持つ人材の需要が高まっています。
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委任型執行役員を目指すための転職戦略
委任型執行役員としてのキャリア
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企業経営の多様化が進む中、委任型執行役員としてのキャリアを築くことは、専門性を活かしながら経営に近い立場で働く有力な選択肢となっています。しかし、雇用契約を伴わないため、一般的な転職とは異なり、自身の市場価値を明確にし、適切なタイミングで企業と交渉する戦略が求められます。
転職成功のための具体的なステップ
- 1. 自身の強みを明確にする。
専門分野の明確化、成功事例の整理、経営視点の強化など、自身の市場価値を明確にすることで、企業に対して説得力のあるアピールが可能です。
- 2. 業界動向を把握する。
これまで経験してきた専門分野、業種において委任型執行役員の需要が高まっているのかを把握することも重要です。特に、事業改革を進める企業や、成長戦略を推進するスタートアップ・中堅企業では、専門性の高い経営人材が求められています。
- 3. ヘッドハンティングを活用。
エグゼクティブクラスの転職市場では、一般の求人サイトではなく、エグゼクティブ専門の人材紹介会社やヘッドハンターを活用することが一般的です。企業側も、信頼できるエージェントを通じて候補者を選定する傾向があります。
- 4. キャリアプランの構築と転職のタイミングを見極める。
委任型執行役員としてのキャリアを築くには、短期的な転職活動だけでなく、中長期的なキャリアプランを設計することが重要です。企業側が経営改革や成長戦略のフェーズにあるときは、外部のエグゼクティブ人材へのニーズが高まるため、そのタイミングを見極めてアプローチすることが成功のカギとなります。
あなたの職歴。スタートアップ企業の幹部候補かも
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まとめ
委任型執行役員
出典:photoAC
委任型執行役員は、企業と委任契約を結び、経営の意思決定を実行する役職です。自由度の高い働き方や高報酬が期待できる一方で、安定性の欠如や成果に対する責任が伴います。
近年、フリーエージェント型のエグゼクティブ市場が拡大し、事業改革を進める企業や成長戦略を推進する企業での需要が増加しています。成功するためには、事業推進力、専門知識、経営戦略の実行力が不可欠です。
自身の市場価値を明確にし、業界動向を把握した上で、エグゼクティブ向け転職支援を活用することが重要です。委任型執行役員は、経営に深く関わりながら専門性を活かせる魅力的なキャリアの選択肢となるでしょう。
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株式会社パソナに入社後、法人営業/キャリアカウンセラーとして20都県以上を行脚。商工会議所や地場企業と連携した採用イベント、東日本大震災被災者のカウンセリング、防衛省からの受託事業運営など、全国各地の産業や雇用問題に触れながら、数新規プロジェクト立上げへ参画。その後、経営者向け営業部隊の立上げを経験。地方創生ベンチャーの全国営業部長を経て、Color WiThを創業。
