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近年、経営幹部の年収は業界や企業規模によって大きく異なっています。大企業では安定した報酬が提供される一方で、スタートアップやベンチャー企業では、現金報酬に加え、ストックオプションや業績連動型報酬といった柔軟な報酬形態が導入されることが多く、これが経営幹部の報酬面における魅力として注目されています。こうした年収の差異は、役職や担当領域、企業の成長フェーズなどにも影響されるため、経営幹部を目指す人材にとって、キャリア選択の重要な指標となっています。
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経営幹部とは
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経営幹部とは、企業の中枢に位置し、経営戦略の策定や実行を通じて企業の方向性を決定づける役職者を指します。具体的には、代表取締役、執行役員、取締役などが該当し、企業全体の成長や持続可能性を担う重要な役割を果たします。経営幹部は、組織の目標達成をリードし、外部環境の変化に柔軟に対応するための意思決定を行う責任があります。
経営幹部の役職と特徴
スタートアップやベンチャー企業における経営幹部は、柔軟性と実務力に加えて、成長のスピードに対応できる機動力が求められています。役職ごとに異なる役割がありながらも、それぞれが密接に連携して企業の成功に貢献します。以下に、経営幹部の役職別の特徴を挙げました。
・CEO
CEOは、企業の舵取り役として、全体を統括し、最終的な意思決定を行う責任者です。限られたリソースを最大限に活用しながら、企業のビジョンやミッションを策定し、その実現に向けた戦略を指揮します。特に事業の成長速度が速いスタートアップでは、柔軟な対応力と迅速な判断力が求められます。また、社員や投資家、パートナー企業と密接に連携しながら、事業を推進する役割を担います。ベンチャー企業では、CEO自らが資金調達や事業提携のフロントに立ち、企業価値向上に直接貢献する場面が多いのが特徴です。
・COO
COOは、CEOが描いたビジョンや戦略を具体的なアクションプランとして実行に移す役割を担います。限られたリソースを最適化しながら、日常業務を効率的に運営することで、企業全体の目標達成をサポートします。事業環境の変化が激しいスタートアップでは、COOが多岐にわたる業務を統括し、迅速に意思決定を行う必要があります。ベンチャー企業では、業務の進捗管理や部門間の調整に加え、事業成長を促進するためのオペレーション改革を主導するケースが多いです。
・CMO
CMOは、企業の成長を牽引する重要なポジションです。市場のニーズを的確に捉え、限られた予算で最大の効果を出すマーケティング戦略を立案・実行します。特にスタートアップでは、ブランディングや顧客獲得が事業成功の鍵となるため、CMOのリーダーシップが売上や市場での認知度向上に直結します。ベンチャー企業では、マーケティングとセールスの垣根を越えた統合的な施策が求められ、迅速な市場適応力が重視されます。
・CTO
CTOは、企業の技術戦略を統括し、競争力のある製品やサービスを開発する責任を負います。特に技術革新が競争優位を生む分野では、CTOの役割が企業の成否を大きく左右します。また、投資家や取引先との技術的なコミュニケーションも担い、企業の技術力を外部にアピールする役割も果たします。CTOのリーダーシップは、事業の成長と競争力強化に直結します。ベンチャー企業では、製品開発だけでなく、技術チームの立ち上げや文化構築の責任を負うことも一般的です。
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【業界別】経営幹部の年収比較
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スタートアップやベンチャー企業における経営幹部の年収は、業界や企業の成長段階、地域、個々の役職によって大きく異なります。以下に、主要な業界別に代表的な経営幹部の年収の一般的な傾向をまとめます。
経営幹部の年収【業界別】
【IT業界】
IT業界のスタートアップ、ベンチャーは、高年収の企業が多いとされており、年収も比較的高いです。
CEO:800万~1,500万円程度
CMO:600万~1,200万円程度
CFO:700万~1,300万円程度
COO:700万~1,300万円程度
CTO:700万~1,300万円程度
CSO:600万~1,200万円程度
CHRO:600万~1,100万円程度
執行役員:600万~1,200万円程度
【テクノロジー業界】
テクノロジー業界のスタートアップ、ベンチャーは、技術革新を追求する企業が多く、高度な専門知識を持つ経営幹部への報酬が比較的高い傾向にあります。
CEO:700万~1,500万円程度
CMO:550万~1,200万円程度
CFO:650万~1,300万円程度
COO:650万~1,300万円程度
CTO:750万~1,400万円程度
CSO:550万~1,200万円程度
CHRO:550万~1,100万円程度
執行役員:550万~1,200万円程度
【コンサルティング業界】
コンサルティング業界のスタートアップやベンチャーでは、実務経験や専門知識が重視され、幹部ポジションへの年収も高い水準を維持しています。
CEO:800万~1,800万円程度
CMO:600万~1,300万円程度
CFO:700万~1,500万円程度
COO:700万~1,500万円程度
CTO:750万~1,500万円程度
CSO:600万~1,300万円程度
CHRO:600万~1,200万円程度
執行役員:600万~1,300万円程度
【金融業界】
金融業界のスタートアップやベンチャーでは、経営幹部の年収は、伝統的な金融機関よりは抑えられる傾向にありますが、フィンテックや新興の金融サービス企業では高水準の報酬が見られる場合もあります。特に、資金調達能力や財務戦略が求められるポジションでは、年収が上昇する傾向があります。
CEO:800万~1,500万円程度
CMO:600万~1,300万円程度
CFO:800万~1,500万円程度
COO:700万~1,400万円程度
CTO:750万~1,500万円程度
CSO:700万~1,300万円程度
CHRO:600万~1,100万円程度
執行役員:600万~1,200万円程度
【サービス業・小売業】
サービス業や小売業のスタートアップ・ベンチャーでは、他の業界と比較して経営幹部の年収が低めになる傾向があります。その分、ストックオプションやインセンティブの制度などが充実している会社が多く見られます。
CEO:500万~1,000万円程度。
CMO:400万~900万円程度。
CFO:500万~1,000万円程度。
COO:500万~1,000万円程度。
CTO:500万~1,000万円程度。
CSO:400万~900万円程度。
CHRO:400万~800万円程度。
執行役員:400万~900万円程度。
(参考:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査 -調査結果報告-」)
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経営幹部転職の動向
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近年、スタートアップやベンチャーにおいて優秀な経営幹部の採用は重要です。特に、市場環境の変化、新技術、DX化、事業継承等による企業の持続化などにより、率先力となる幹部人材を外部から採用する動きが活発になっています。また、スタートアップ企業では、柔軟な働き方や高い成長可能性が魅力となり、多くのプロフェッショナルがチャレンジを求めて転職をしています。一方、ベンチャー企業は、次世代を担うリーダーを積極的に採用する傾向があります。
スタートアップ・ベンチャー・中小企業で求められる経営幹部
スタートアップ・ベンチャーでは、柔軟な働き方や高い成長可能性が特に魅力となり、チャレンジ精神旺盛なプロフェッショナルが新たなキャリアを求めて参入しています。これらの企業は、経営幹部に高い裁量権を与え、企業の未来に直接影響を与えるポジションを提供することで、優秀な人材を引き付けています。また、ベンチャー企業では、事業の成長とともに幹部自身も企業価値の向上を享受できるストックオプションなどのインセンティブが導入されるケースが多い点も特徴です。
経営幹部が企業成長に与える影響
スタートアップやベンチャー企業において、経営幹部の存在は企業の成長と成功を大きく左右します。特に、CEOやCOOは、限られたリソースを効率的に配分し、競争環境に迅速に対応する能力が求められます。スタートアップ企業では、資金や人材が制約される中で、最適な意思決定を行い、迅速に実行に移すことが成功の鍵となります。例えば、新しい市場への参入や既存製品の改良において、CEOやCOOが示すビジョンと具体的な行動計画は、企業の未来を決定づける重要な要素です。
さらに、CMOやCFOといった専門分野に特化した経営幹部も、企業の成長に大きく貢献します。CMOは、顧客ニーズや市場動向を的確に捉えたマーケティング戦略を立案・実行することで、企業の売上拡大やブランド価値向上を実現します。一方、CFOは、財務データを活用して企業の健全な運営を支えると同時に、資金調達や投資計画を通じて成長を後押しします。こうした幹部のリーダーシップがなければ、企業は持続可能な成長を達成することが難しくなります。
また、スタートアップ特有の状況として、経営幹部が企業の成長速度を加速させる役割を果たします。例えば、CTOは革新的な技術を取り入れ、競争優位を構築、CSOは市場環境の変化に対応した戦略を立案し、事業の方向性を確立します。このように、経営幹部はそれぞれの専門性を活かしつつ、企業全体が一丸となって目標を達成できるよう導きます。
経営幹部が持つスキルや経験は、スタートアップや中小企業の成功確率を高めるだけでなく、企業全体の競争力を強化する要素となります。そのため、こうした人材が活躍する環境を整えることが、企業の持続的な成長に直結します。
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キャリアアップによる年収向上のチャンス
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経営幹部として成功するためには、経営環境の変化に対応し、企業全体を効果的にリードするための多岐にわたるスキルや資質が求められています。これらのスキルや資質を高めることで、結果を出し、年収アップの可能性が高まります。
・戦略的思考力
経営幹部は、企業の成長を持続させるために、長期的な視点で市場の動向や競合の戦略を分析し、最適な戦略を描く能力が求められます。例えば、新規市場への進出や既存事業の強化を検討する際には、リスクと機会を的確に見極め、資源配分を最適化する判断が必要です。また、急速に変化する業界であれば、デジタル化や技術革新を活用したビジネスモデルの転換など、大胆な戦略を設計する力も重要です。
・リーダーシップ
経営幹部は、部門間を超えた連携を図りながら組織全体をまとめ、共通の目標に向けてメンバーを鼓舞するリーダーシップを発揮することが期待されます。例えば、新しいビジョンを社員に共有し、その実現に向けた具体的な行動を指示する際には、目標達成に向けた明確な指針と、メンバーを動かすためのモチベーション向上策が求められます。特に、多様なバックグラウンドを持つ人々をまとめるためには、柔軟で包括的なリーダーシップが不可欠です。
・柔軟性と決断力
経営幹部は、日々直面する不確実な状況に対して迅速に判断し、適切な行動を取る柔軟性と決断力を持つ必要があります。市場の急変やトラブル発生時には、状況を即座に把握し、的確な解決策を提示する能力が求められます。また、判断を下す際には、短期的な利益と長期的なビジョンを両立させるバランス感覚も重要です。
・高いコミュニケーション力
経営幹部は、社内外の多様なステークホルダーと協力して成果を出すために、高度なコミュニケーション力が求められます。例えば、取締役会での報告や提案、投資家への説明、従業員へのメッセージ伝達など、様々な場面で明確かつ説得力のある表現が必要です。また、異なる価値観を持つ人々の意見を尊重しながら、共通の目標に向けて合意を形成する能力も重要です。
・専門知識
経営幹部は、財務、マーケティング、技術など、自身が担当する領域において深い専門知識を持つ必要があります。CFOであれば財務戦略の策定や資金調達の知識、CTOであれば最新の技術動向への理解と革新的な技術の導入が求められます。また、専門知識を基盤にしながら、部門横断的な視点で意思決定を行う能力が期待されます。
スタートアップのCxO/幹部になって責任に見合う報酬を!
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まとめ
出典:PhotoAC
スタートアップやベンチャー企業における経営幹部の年収は、業界や役職ごとに大きく異なります。IT・テクノロジー業界では他業界と比べて高水準な傾向が見られる一方、製造業やサービス業では年収がやや低めになることもあります。ただし、スタートアップ特有のストックオプションや業績連動型報酬が含まれる場合、実質的な報酬はさらに魅力的なものになる可能性があります。
また、キャリアアップを通じて報酬を向上させるチャンスも多くあります。特に社外でのポジション獲得を目指す場合、戦略的思考力や部門横断的なリーダーシップ、専門分野での深い知識が重要です。これらのスキルを活かして市場価値を高めることで、より高い報酬を得ることが可能となります。
経営幹部としてのキャリアは、年収向上だけでなく企業の成長や未来に直接貢献できるやりがいも魅力です。業界の特性や企業の規模を考慮し、自身のスキルや経験に合ったキャリアパスを描くことが、成功の鍵となります。
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