CRO・最高収益責任者の転職成功のための経験・スキル完全ガイド:収益拡大の立役者へ

CRO転職成功のためのスキルガイド 出典:筆者にて作成 

 

近年、営業部門の重要性が高まる中、営業部門のトップである役員や、企業の最高収益責任者を指すCRO(Chief Revenue Officer)への転職が注目されています。
しかし、競争倍率が高く、応募者のセルフブランディングで魅力的な経歴やスキルを見せられないと、希望のポジションにたどり着けないケースも少なくありません。

本記事では、営業部門の意思決定者として重視されるCROポジションで、転職を成功させるために必要な具体的な経験やスキルを徹底解説します。
この記事を読むことで、自身のキャリアを一段と高め、転職活動を有利に進めるための実践的な知識と戦略を得ることができます。

 

 

CRO(最高収益責任者)に求められる役割

CRO(最高収益責任者)の役割 出典:photoAC 

 

CROはChief Revenue Officer(チーフレベニューオフィサー)の略で、「企業の最高収益責任者」を指しています。
CSO、CTO、CMO等と並び、CEO直属のトップマネジメント層です。
日本ではまだ馴染みがないかもしれませんが、アメリカをはじめ、海外では広く浸透している役職です。
CROは、会社全体の売上に責任を持ち、営業戦略を立て、売上に関わる部門をすべてまとめて指揮します。
CTOは技術の最高責任者、CMOはマーケティングの最高責任者であるのに対し、CROは、セールス、マーケティング、採用、企画、開発などすべてに精通し、事業の収益性を確保・改善するために、あらゆる可能性を検討して戦略を立てるという役割があります。

 

CRO(最高収益責任者)の仕事とは?

CRO(最高収益責任者)の仕事 出典:photoAC 

 

CROの仕事は、収益を生み出すための戦略を立て、実行することにあります。 具体的には次のような業務が含まれます。

1.売上予測と目標設定
市場分析を行い、現実的かつ挑戦的な売上目標を設定します。

2.経営戦略の策定・実行
マーケティングとセールスの両方の観点から戦略を立て、実行します。

3.連携強化
売上創出のために、マーケティング、営業、人事、経営企画、事業開発、カスタマーサクセスなど、各部門との連携を強化します

4.顧客維持と新規顧客の獲得
カスタマーサクセスによって顧客へ成功体験を提供し、既存顧客の満足度を高め、収益の拡大を目指します。 また、マーケティングと営業の連携を強化し、新規顧客の獲得を目指します。

5.データ分析とパフォーマンス評価
売上データを分析し、戦略の効果を評価、必要に応じて調整を行います。

6.リスクマネジメント
収益に影響を与える可能性のあるリスクを想定し、回避するためのリスクマネジメントを考えます。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つ経験・スキル

CRO(最高収益責任者)に役立つスキル 出典:photoAC

 

CROは、事業側と顧客側の両方の視点を考慮して、最適な戦略を立てる役割を担っています。そのためには様々な経験やスキルが必要不可欠です。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つ経験1:豊富な営業経験

営業部門での実務経験は不可欠です。
特に、営業チームをリードし、売上目標を達成した経験が求められます。
ターゲット企業の事業スキームに応じて、BtoBやBtoCなど、もとめられる成果に対して、新規開拓や既存顧客フォロー、アップセル・クロスセルといった営業活動の実績が求められます。
CROは、最高収益責任者として、セールスの他にも広い経験と視座が求められます。具体的には、以下のような経験が挙げられます。

 

CRO(最高収益責任者)に役立つ経験2:マーケティング経験

マーケティングの基本知識と実務経験が必要ですが、昨今では企業のDX推進や、マーケティングとセールスの垣根がなくなりつつあるため、デジタルマーケティングやブランド戦略に精通していることが望ましいです。
顧客とのコミュニケーションを重視するマーケティングと、顧客のニーズを深く理解して最適なソリューションを提案するセールスは密接な関係にあります。
そのため、CROはマーケティングとセールスの両方をみながら、収益の最適化に向けた戦略立案、主導が求められます。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つ経験3:プロジェクトマネジメント経験

最高収益を上げるためには、セールスのみならず、運用部署とのコミュニケーションが求められます。そのため、多部門にわたるチームを統括するようなプロジェクトなどの業務経験が求められます。
各部門のミッションを調整しながら目標達成に向けて導くことができるチームマネジメント力が必要です。
一方で、目標を達成するためのメンバーの育成やモチベーション管理、適切なフィードバックなど、メンバーマネジメントの能力も問われます。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つ経験4:事業開発の経験

新市場への参入は、企業の成長を加速させる重要な要素であるため、新規事業や新市場の開拓経験があると有利です。
CROは、市場調査・競合分析・ターゲット市場の選定・エントリーポイントの特定など、参入戦略を策定する経験が求められます。
また、他社との提携・パートナーシップの構築や、M&Aの経験も重要です。
事業開発に必要なリソースの見極めや、新技術ノウハウの獲得、競争優位性の強化、市場シェアの拡大等、目標達成に向けた課題へ取り組んだ経験は、担当事業の開発拡大に大きく貢献します。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つスキル1:データ分析力と戦略的思考

データ分析を基にした戦略策定ができることが求められます。
市場環境や競合の状況を分析し、自社の強みと弱みを把握した上で、効果的な営業戦略を立てる必要があります。
また、売上データを分析して、どの製品やサービスが売れているか、どのチャネルからの売上が大きいのか、どこに課題があるのかを特定することで、具体的な目標設定をすることができ、受注確度の精度を上げることもできます。
さらに、顧客データを分析して顧客の購買行動やトレンドを把握し、マーケティング戦略に反映させることも必要となってきます。

 

CRO(最高収益責任者)に役立つスキル2:コミュニケーション能力

各部門と円滑に連携し、生産性の高い組織を作るためには、コミュニケーション能力が必要です。
社員の気持ちを理解し、良好な関係を築くことで、チーム全体の士気が高まり、高いパフォーマンスを発揮することができます。
顧客との対話では、信頼関係を築き、長期的なビジネスパートナーとしての関係を構築することが重要です。
また、アイデアや戦略を明確に伝える力が求められるため、プレゼンテーションスキルも備えている必要があります。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つスキル3:問題解決能力

リスクマネジメントに関する知識も重要です。
問題が発生した際に、迅速かつ冷静に対応し、最適な解決策を見つける能力が求められます。 例えば、予期しない市場の変動や顧客からのクレームにすぐに対応すること、競合他社の動きに合わせて戦略を柔軟に変更することが必要です。
適切なリスクマネジメントを行うことで、企業が受ける被害を最小限に抑え、再発防止にもつながります。  

 

CRO(最高収益責任者)に役立つスキル4:イノベーション力

市場の変化に柔軟に対応し、新しいアプローチを試みる創造力が必要です。
例えば、デジタルマーケティングやAIを活用した営業手法など、最新の技術を積極的に学び、実践することで、さらに競争力を高めることができます。  

 

CRO(最高収益責任者)に向いている人

CRO(最高収益責任者)に向いている人 出典:photoAC 

 

CROは、次のようなパーソナリティを持つ人材が求められる傾向にあります。  

 

リーダーシップがある

CROは企業全体の売上を統括する役職であるため、強力なリーダーシップが不可欠です。チームを鼓舞し、目標に向かって導く力が必要です。
リーダーシップには、自然と人を惹きつけるカリスマ性や、信頼される人柄も含まれます。
チームメンバーが自信を持って仕事に取り組めるように、明確なビジョンと戦略を掲げ、困難な状況でも冷静に対処することが求められます。  

 

結果志向

CROには、目標達成に強い意欲を持ち、結果を出すために全力を尽くす姿勢が求められます。
結果志向の素養を持つ人は、目標設定からその達成までの過程を綿密に計画し、実行する能力に長けています。
また、達成すべき目標に対する強いコミットメントと、常に結果を求める姿勢が企業の成長に大きく貢献します。  

 

柔軟性がある

市場環境の変化に対して、柔軟に戦略を調整し、適応することができます。
異なる意見や視点も尊重し、新しいアイデアを取り入れながら問題を解決する力を持っています。
また、最新のテクノロジーを積極的に導入するなど、変化に対して前向きに取り組み、新たなことにチャレンジする柔軟な姿勢が求められます。  

 

ねばり強い

CROの役割は、短期的な成果だけでなく、企業の成長を見据えた長期的な戦略を策定し、実行することにあります。そのため、持続力が必要です。
持続力のあるCROは、困難な状況に直面しても諦めず、粘り強く取り組む姿勢を持っています。
長期的な視野を持ち、一貫して目標に向かって努力することで、企業の安定した成長を支えます。  

 

CRO(最高収益責任者)への転職を成功させるポイント

CRO(最高収益責任者)への転職を成功させるポイント 出典:photoAC 

 

CRO転職を成功させるには、実績のアピールや最新知識の習得、ネットワーキングの強化が鍵です。具体的には次のような方法があります。
CROとしての素養がイメージできるような、具体的な実績やエピソードを交えたアプローチが必要です。  

 

実績を明確に示す

過去の成功事例や達成した目標を具体的にアピールします。
プロジェクトの成果や売上向上などの定量的な成果を強調すると効果的です。
例えば、「売上を前年比20%増加させた」「新規顧客を50%増やした」といった具体的な数字を用いることで、あなたの実力をより明確に伝えることができます。

 

専門知識をアップデート

最新のマーケティング手法や営業戦略に精通していることを示すため、継続的な学習を怠らないことが重要です。
セミナーへの参加、業界の最新トレンドやマーケティングに関する書籍を読む、オンラインコースを受講するなど、常に最新情報をキャッチアップするよう心がけます。
知識を常にアップデートすることにより、面接での質の高いディスカッションが可能になります。  

 

ネットワーキング

業界内での人脈を広げ、情報収集を行うことも必要です。
業界イベントやカンファレンス、セミナーなどに参加して、積極的に交流を図ることで、新しい転職機会を見つけやすくなります。
また、業界のインフルエンサーや専門家とのコネクションを持つことで、有益なアドバイスやサポートを得られることもあります。  

 

セルフブランディング

自己をブランドとして確立し、人材としての価値や強みを効果的にアピールすることが重要です。
LinkedInなどのプロフェッショナルなSNSを活用して、自分の専門知識や経験を発信しましょう。定期的に業界関連の記事を投稿したり、プロジェクトの成果をシェアすることで、あなたの専門性や熱意を示すことができます。  

 

面接対策

まず、企業の経営理念やビジョン、経営方針、事業内容、IR情報に加え、経営者や現場社員のインタビューなど、さまざまな情報を収集します。
また、企業情報だけではなく、業界全体の現状を把握しておくことも重要です。
面接では、具体的な数字を用いて戦略を提案し、これまでの実績や成果をPDCA(計画、実行、評価、改善)のサイクルが分かるように説明することが大切です。
さらに、面接時の逆質問を効果的に利用することで、企業に対する熱意をアピールすることができます。  

 

CRO(最高収益責任者)への転職ガイドまとめ

CROとしての成功は、幅広い経験とスキル、そして特定の性格的な素養が鍵となります。 営業やマーケティングの経験を活かし、戦略的な思考力とリーダーシップを発揮することで、企業の成長に大きく貢献することができます。

転職活動においては、自身の強みを明確にし、最新の知識を取り入れ続けることが重要です。
これらを踏まえ、CROとしてのキャリアを築いていくことを目指しましょう。

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監修者

Color WiTh株式会社

代表取締役 若色広大(わかいろこうだい)

コカ・コーラボトラーズジャパン株式会社へ入社。入社1年で新人セールス賞受賞、3年でエリア課長就任。株式会社パソナにて、顧問やフリーランスを業務委託紹介する新規事業に従事。株式会社トレジャーフットへ事業部長として参画し、複業人材マッチング事業に従事。Color WiTh株式会社を創業し、ディレクション全般/戦略立案を務める。