【後編】ランサーズ・曽根秀晶×BNGパートナーズ・岡本勇一&近藤敬佑
顧客価値と対象市場のアップデートに挑む
~ランサーズのCOOが語る、事業戦略と一緒に働きたい人材像

「個のエンパワーメント」をミッションに掲げ、フリーランスや副業向けのマッチングプラットフォームを運営するランサーズ株式会社。2008年の創業以来、次々と魅力的なサービスをリリースし、業容を拡大。2019年には東京証券取引所マザーズ市場(2022年東証グロース市場に再編)への上場を果たすなど、快進撃を続けています。同社が取り組んでいるのは、テクノロジーの進化を活かして多くの人に価値と成長機会を提供し、個人の生活・働き方、あり方を変革すること。その実現に向け、さらなる挑戦を続けています。

そんな同社の取締役 執行役員COOとして経営戦略全般の立案やM&A、新規事業などの推進を主に担っているのが曽根氏です。戦略コンサルタントから大手IT企業の事業・経営企画へ、そして同社の役員へと転身する中、さまざまな経験を積み重ねて来られました。「修羅場は幾度もあった」と語る曽根氏は、変化の激しいビジネスの世界で生き抜くために何を軸としてきたのか。その生き様、価値観は、これからCxOを目指す方にとって多くの示唆が含まれています。BNGパートナーズエグゼクティブサーチ事業部長として、あらゆる採用の最前線に精通した岡本勇一、コンサルタントの近藤敬佑が対談を通じて、それらを紐解いていきます。後編では、ランサーズの事業・採用戦略と一緒に働きたい人材像にフォーカスします。

事業戦略を再編。顧客価値と対象市場のアップデートに挑む

岡本:ここからは、御社の採用戦略についてお聞かせください。

曽根:その前に事業戦略からお話ししましょう。当社はセルフ型マッチングのマーケットプレイス事業と仲介型マッチングのエージェント事業を通じて、フリーランスを中心にした個人に仕事のマッチング機会を提供して、会社の取引額・流通額の最大化を目指しています。

今後何が変わっていくかと言うと、マーケットプレイスの事業領域では文書作成や画像制作などのカテゴリーを中心に低単価なタスクや簡単なタスクが、生成AIへとどんどん置き換わっていきます。ただ、すべてが置き換わることはありません。世の中の仕事は複雑なものが多く、フリーランスが提供できる価値がむしろ増していくと思っています。なので、より付加価値の高いサービスにどう移行できるかが重要になってきます。

一方、エージェント事業ではエンジニアやデザイナー、コンサルタントなどの職種の人材仲介を手掛けているのですが、クライアントとしては人材を紹介してほしいという想いはあるものの、結局は「成果を出したい」「ビジネスを成長させたい」という意向の方が強いと言えます。それであるなら、たとえばクライアントの事業戦略に沿って、当社の社員がフリーランスと一緒になってハイブリッドなチーム体制でプロジェクトをリードしていけば、より大きなアウトプットを出せます。同時に当社としてももっと大きな市場で戦えるようになります。

そこで今後は、フリーランスを一人ひとり仲介するだけではなく、なかなか価値提供できなかった顧客企業にアプローチしていくゲームを仕掛けていくべきではないかという議論ををしています。

実は、この両方の事業戦略で重要になってくるのが、顧客価値と対象市場のアップデートです。これが、今期の最大のテーマです。それができる組織を作っていかないといけません。

特に、後者は市場がとても大きく、かつ伸びもすごいので競争も激化しています。その中で僕らの強みを活かしながら顧客に価値提供をしていくためにも新しい人材が必要なのです。

顧客に価値提供していくためにも新たな人材が欠かせない

曽根:僕らは、まさに、ビジネスにおける上流から下流まで一気通貫で対応できます。フリーランスを中心としたチームアップも可能です。そうした形をどんどん作っていこうと思っています。

岡本:成果を担保する幅が広がると御社で必要になる人材はがらっと変わってきそうですね。

曽根:5年後、10年後にはかなり変わってきます。特に、エージェント事業では大きなゲームチェンジを仕掛けていきます。そうすると、オーガニックに組織を作り人材を採用し、事業を拡大させていくだけでなく、M&Aを含めてさまざまな戦略手段で進めていく必要があると考えています。

曽根:この市場で勝つためには、今のままではいけません。クライアント向けも強くしていきたいと思っています。そもそも顧客に価値提供し、そこに対して応えていかないとフリーランスの仕事も作れません。自分たちから取りにいかないと価値提供ができないというのが、僕らの発想の起点です。

岡本:そういうタイミングなのですね。

曽根:3年前に僕らは会社のビジョンをアップデートしました。フリーランスや個人向けには、誰もが自分らしく才能を発揮して「誰かのプロ」になれる社会をつくると掲げています。

これを実現するためには、結局、クライアントと向き合い価値提供をしていくことを定義しないといけません。その辺りから問題意識を持っていましたね。今ようやく土台ができ始めていて、攻める時期を迎えることができました。

岡本:そうしたストーリーまで含めてお伝えできたら候補者の方に理解してもらえる気がします。

自分の言葉で仕事への想いを本気で語れる方を期待したい

岡本:ズバリ、どんな方と一緒に働きたいですか。

曽根:僕が採用の時に確実に見ているのは、メタ認知とレジリエンス、そして究極のマッチングの三点です。会社の採用基準自体は、ビジョンとスキル、カルチャー。それらで評価をします。どうやって判断するかといった時に、僕はメタ認知の切り口から質問を投げかけます。

「この人は本当に自分のことを理解しているのか」

「自分の人生を通して何がなかったら今の自分ではなかったか」

などと掘り下げていきます。そうすると必ず変化があったことに気付けます。

いわゆる、デルタです。成功だけでなく失敗の体験を通して何を感じ、何を学び、その学びをどう活かしたか。それがレジリエンスです。

近藤:反発する力、立ち上がる力と捉えて良いですか。

曽根:困難に立ち向かっても諦めずに主人公っぽく生きる力と言ったら良いでしょうか。

それが強くなった時に、自己効力感につながっていきます。その上で、最後に僕が問いたいのは、自分の言葉で「このご縁を本当に掴みたいと思っている」と語れるかです。そこを凄く大事にしています。本気であれば、こちらにも伝わってきます。

近藤:それを、究極のマッチングと呼んでおられるのですね。

曽根:そうです。この会社、この役割、この機会でなければと思う本当の理由です。

近藤:そういう問いを立てた時に、「良いな」と思っている候補者はしっかりと言語化して返してくれるものですか。

曽根:最初はどうしても言葉に詰まってしまわれる方も多いですね。でも、自分の言葉が段々と出てきます。逆に他人の言葉をなぞっているだけの人は、淡々と読んでいるだけという感じがします。

近藤:本気度みたいな観点でしょうか。

曽根:これまで自分がどうやって苦難を乗り越えてきたのかを知り、その結果として僕らと一緒に本気で仕事をしたいと思っているのか。それを聞いて、当社のビジョンやカルチャー、スキルに照らして決めています。

BNGのコンセプトに共感するだけに、提案型のスタイルを極めてほしい

岡本:最後にBNGに対する印象と今後に向けて期待することをご教示いただけますか。

曽根:「挑戦者(ばか)が日本を元気にする」という、御社のコンセプトは好きということが大前提にあります。能力を超えた領域に自ら飛び込んでいくという挑戦者を発掘して、機会を与えていく姿勢には共感を持てます。

その上で、今回とても良い方をご紹介いただき有難いと思っています。最後の最後まで一緒に伴走して考え抜いてもらい、コミットしていただけたという印象です。アクションも凄いスピーディでしたし、的確にリマインドもいただけました。他のエージェントにはない形でのサポートだったのではないでしょうか。本当に感謝しています。

今後への期待を敢えて申し上げるなら、提案型のエージェント・スタイルを追求し続けていただきたいです。潜在的な部分も考慮してマッチングを提案されるエージェントの方には、こちらから指名でお声掛けしたくなります。

近藤:ぜひ、私たちもそうなれるよう精進していきたいと思います。本日は、貴重なお話をありがとうございました。


BNGパートナーズでは、ベンチャーCxOなど、ハイクラス・高難易度な採用を支援する「ベンチャー × 経営幹部」に特化した人材紹介を行っています。

40,000人を超えるエグゼクティブ・ハイクラス人材のなかから、企業カルチャーにマッチした人材選定をいたします。採用においてお悩みであれば、まずはBNGパートナーズお問合せ窓口からご相談してみてください。

企業の人事担当者・責任者の方へ

BNGパートナーズは、ベンチャー企業やスタートアップのハイクラス人材に特化した転職サービスを提供しております。スタートアップへの転職を検討しており、より高みを目指せる場所に身を置きたい人は、BNGパートナーズの転職サービスをぜひご活用ください。

将来はCxOで活躍したいと考えている方へ