年上の部下に対するマネジメントのコツとは?心構えや注意点を解説

人材の流動化や実力主義への移行などによって、年上の部下をマネジメントするケースが増えています。
しかし自分より年齢が上であったり、社歴や経験が多い「年上の部下」に対し、どういったマネジメントを行うべきかと迷う人は多いでしょう。不適切なマネジメントは、モチベーションダウンや職場環境の悪化といった事態を招いてしまいます。
そこで当記事では、年上の部下に対するマネジメントのコツをはじめ、心構えや注意点を解説します。

目次[非表示]

  1. 年上の部下に対してよくある悩みと理由
  2. 年上の部下に対する基本的なスタンス
  3. 年上の部下をマネジメントするコツ
  4. 年上の部下をマネジメントする際の注意点
  5. まとめ

年上の部下に対してよくある悩みと理由

年上の部下へのマネジメントにおいて、悩みを抱える年下の上司は多いでしょう。
ここでは、年上の部下に対して抱えがちな「よくある悩み」を紹介します。

社歴や業界経験が長いため躊躇してしまう

社歴や業界経験が長い「年上の部下」の場合、上司である自分よりもスキルや経験が豊富なケースも見受けられます。
そのため、注意や指摘したいことがあったとしても「スキルや経験が豊富な相手に伝えてよいのだろうか?」などと考え、言いたいことをを伝えられない人もいるでしょう。
年上の部下への注意や指摘で躊躇してしまう背景には、相手に対する遠慮の気持ちや、自分のスキルや経験に自信をもちきれていないなどの理由が絡んでいます。

報連相をしてくれない

経験や知識を豊富にもつ年上の部下は、上司への連絡が必要な場面であっても、報連相をせずに自分の判断で業務を進めることがあります。
ミスなく業務をこなしていたとしても、上司は部下の進捗状況を把握する必要があるため、報連相をしてほしいものです。ミスが発生した場合には、上司である自分の責任問題にも発展します。
報連相をしてもらえない背景には、年上の部下が「報連相をしなくても業務が回っているから大丈夫」と考えている可能性があります。

指摘に反発されがち

上司として指摘をしたにもかかわらず、反論や反発をされる人もいるでしょう。
反発するタイプの部下は、たとえ年下であってもマネジメントに多大な労力がかかります。相手が年上であれば、悩みはさらに大きくなります。
上司は「反発されても指摘しなくてはいけない」や「反発されるから指摘しない方がよいのか?」といった思いの狭間で悩むこともあるでしょう。反発される場合には、相手のタイプに応じて言い方を変えると状況が好転する可能性もあります。(詳細は後述します。)

守りの行動をとられてしまう

特に年上の部下が年配の場合には、指示した内容しかやらないといった「守りの行動」をとることがあります。
豊富な経験とスキルをもつため、指示内容以上のことができるハズなのに「なぜやらないのだろう?」と悩むかもしれません。守りの行動をとる背景には、年上部下のプライドが関係しているかもしれません。「わからないと言ったら下に見られるのでは?」や「経験が豊富だから失敗したら恥ずかしい」などと考え、守りの行動をとっている可能性があります。

年上の部下に対する基本的なスタンス

年上の部下に対するマネジメントを考える際に、年下の上司がとるべき「基本的なスタンス」は以下の通りです。

上下に関係なく、上司としての役割を果たす

年上の部下は年齢が上であるものの、自分と相手との関係性を考えれば、あくまで「上司と部下」という構図になります。関係性を考える際に、相手の年齢を意識する必要はありません。そのため、相手の年齢や経験に関係なく、上司としての役割を果たすことを念頭に置きましょう。
上司の役割は、組織における上のポジションの人間として、チーム全体の業務が円滑に遂行できるよう適切な指示を出すことです。円滑に進まない要素を見つけた場合には、サポートを実施する場合もあるでしょう。「上司としての役割を果たす」点が抜け落ちていると、上司自身の行動にブレが生じるため、部下との関係性がうまく保てなくなります。

遠慮はしない

年上の部下に対し、「言いたいけれど我慢する」や「全てではなく、少しだけ指摘しよう」などと、遠慮する人もいるでしょう。
遠慮して指摘すべきことを伝えないと、業務がスムーズに進まない可能性があります。また指示がまわりくどくなると、情報そのものが誤って伝わる可能性もあります。
特に、業務の目的・業務に求める水準・納期を伝えることに関して、遠慮は禁物です。遠慮をして伝えるべき指摘や注意を疎かにすると、業務に悪影響をおよぼす可能性があるでしょう。
とは言え、年上の部下に対し「人生の先輩」として敬意や尊敬の念をもつ意識は大切です。配慮・気遣いと遠慮を混同せず、上司としての役目を果たしましょう。

年上の部下をマネジメントするコツ

年上の部下をマネジメントする際には、コツを押さえて接することが大切です。以下のコツを踏まえ、マネジメントを実施するとよいでしょう。

偉さと上司としての役割を混同しない

「上司が偉くて、部下が下」といった考えをもっていると、年上の部下へのマネジメントがうまくいきません。なぜなら、相手は「自分の方が人生経験がある」というプライドをもつからです。
「自分は部下だ」と認識し、年下上司からの指示を受け入れる姿勢でいる人は多いでしょう。しかし、上から目線の態度をとられた場合は別です。
年下上司が偉そうな態度で接すれば「年齢が下なのに、なぜ上司というだけで偉そうな態度をとるのか?」と思われ、反発心をもたれるでしょう
上司は偉いのではなく、あくまで上司としての役割をもつにすぎません。
年上の部下をマネジメントする際には、「偉さ」と「上司としての役割」を混同しないことが大切です。

言うべきことはしっかり伝える

部下に言うべきことを伝えるのは、上司の使命です。
相手の年齢を問わず、上司として伝えるべき内容はしっかりと伝えましょう。言うべきことを伝えられない上司は、部下から軽視される可能性があります。軽視されると、さらにマネジメントが難しくなるでしょう。
また、言うべきことを伝える際には「改善してほしい点」にのみフォーカスします。本人の人格や価値観まで指摘するのは控えましょう。行動改善を指示する際に気を付けるべきことは事実と解釈を混同しない事とも言い換える事が出来ます。

~よい伝え方~
書類の処理を迅速に行いたいので、商品発送後に事務担当への連絡をお願いします。
→◎「商品発送の報告をする」という行動のみを指摘しています。

~悪い伝え方~
商品の発送後は必ず報告してください。忘れっぽい性格もどうにかなりませんか?
→×本人の性格まで指摘しているので、相手は「自分を否定された」と感じる可能性があります。

部下のタイプを見極める

年上の部下と一口に言っても、性格や行動特性は千差万別です。
異なるタイプと円滑にコミュニケーションをとるには、誰がどういったタイプかを見極めることが大切です。

以下に、部下の主なタイプを紹介します。

管理職タイプ

管理職タイプは、実際に管理職経験がある人や、場を盛り上げてまとめあげるようなリーダー気質の人が該当します。
管理職タイプの年上部下は、自分の意見をきちんともっており、今までの経験や自身のスキルに自信をもつ人が多いでしょう。そのため、上から目線で接する上司には反発心を覚えます。
管理職タイプにコミュニケーションをとる場合には、相手をコントロールするのではなく、一緒にサポートしてもらえるような流れで接するとよいでしょう。たとえば「新商品について議論したいのですが、経験豊富な〇〇さんの意見もいただけないでしょうか?」のように、上司である自分をサポートしてもらえる話し方がオススメです。

職人気質タイプ

職人気質タイプは、元技術系の人や、自己主張や感情表現の控え目な人が該当します。
彼らは計画的かつロジカルに仕事を進めることが得意であり、根気強くものごとに取り組める特徴をもちます。
そのため、伝えたいことがある場合には「お願いしたい内容→理由→補足説明」のように、論理的なコミュニケーションを意識するとよいでしょう。
一方で感情的な相手を苦手とするため、「いい加減にしてください」や「悲しいです」などと怒りや感情をあらわにすると、心を閉ざされてしまう可能性があります。気難しい部下に見えるものの、一旦打ち解けると強力な味方になるのは職人気質タイプです。

サポータータイプ

サポータータイプは、自己主張をせずに穏やかに過ごす人や、優柔不断に見えるような人が該当します。サポータータイプは年下上司への配慮があり、反発することも少ないため、一見マネジメントしやすい人に思えるでしょう。
一方で、キャパオーバーでも仕事も受け入れてしまうなど、ストレスを溜めやすいタイプでもあります。
そのため、定期的に「状況はどうでしょうか?」などと、本人の状況や心情を確認する姿勢が大切です。またサポータータイプが報連相をしないタイプであれば、実はスケジュール通りに進められていないといった可能性もあるため、本人のリソースやタスク状況の確認も必須です。

年上の部下をマネジメントする際の注意点

年上の部下をマネジメントする際には、以下の点に注意するとよいでしょう。

相手への敬意を忘れない

年上・年下にかかわらず、相手に対する敬意は欠かせません。自身の部下に接する場合も同様です。
上司と部下の関係性は、マネジメントする者とマネジメントされる者という立場の違いであって、人としての上下を判断する要素ではありません。
相手を下に見て敬意を払わずにマネジメントをすれば、「上司が偉い」という姿勢で対応してしまうため、反発心を招く可能性があるでしょう。
反発をされなくとも、相手は軽視されたと感じ、上司の意見を受け入れる気持ちがなくなってしまいます。そもそも敬語を使わないのは、論外だと言えます。

高圧的な態度はNG

相手が年上であっても、状況によっては「上司として叱る」必要に迫られることもあるでしょう。特に叱る際には、高圧的な態度はNGです。
年上部下が怒られた内容を「その通りだ」と理解しても、プライドを傷つけられてしまい、上司の意見に聞く耳をもたなくなる可能性があります。
相手が年下である場合には、状況によっては高圧的な態度が功を奏すこともあるでしょう。しかし年上の部下に対しては、どういったタイプの相手だとしても高圧的な態度はNGです。相手のプライドを守りながら、指摘すべき点を話すとよいでしょう。

場合によっては教えてもらう姿勢も大切

年上の部下は、上司である自分よりも経験やスキルが豊富なケースも多く見受けられます。
豊富な経験やスキルをもつことは、年上部下の利点です。
活用できる利点は、存分にとり入れるべきでしょう。
年上部下の知見やスキルを共有してもらうことで、チームの生産性が高まるかもしれません。
また教えてもらう姿勢を見せることで、相手の顔をたてやすく、上司と部下の関係性を良好に保ちやすくなるでしょう。良好な関係が保てれば、上司からの指示や指摘も素直に聞いてもらいやすくなります。

まとめ

年上の部下には、ポイントを押さえながら適切なマネジメントをすることが大切です。たとえ相手の年齢や社歴が上であっても、上司であれば「上司としての役割や対応」が求められます。

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