リーダーシップとは?発揮するために必要なことをわかりやすく解説

統率力を意味するリーダーシップ。経営者に必要とされるスキルと思われがちですが、組織に携わるすべての人に必要な力でもあります。この記事では、リーダーシップの意味やマネジメントとの違いから必要なスキルなどをご紹介します。

目次[非表示]

  1. リーダーシップとは?
  2. リーダシップの種類とは
  3. リーダーシップを発揮するために必要なスキル
  4. 身につけたリーダーシップを高める方法
  5. リーダーシップを自己PRで使うときの注意点
  6. まとめ

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リーダーシップとは?

以下では、リーダーシップについて下記の観点から解説を進めます。

・リーダーシップの定義

・リーダーシップとマネジメントの違い

・リーダーシップが必要な理由

詳しく見ていきましょう。

リーダーシップの定義

リーダーシップは、設定された目標を達成するために、個人もしくはチームの行動を促す力です。「指導力」「統率力」などと表現されることもあります。

リーダーシップのポイントは次の通りです。

・達成に向けたビジョンを示す

・達成の障害になる課題や問題を解消する

・達成のために従業員のモチベーションを維持させる

また、リーダーシップの定義や理論については、数々の有識者が提唱していますので、後ほど紹介します。

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップは、目標達成のために個人やチームを導く力です。

たとえば、自社が掲げる数字目標を達成するために従業員の士気を上げる際などにリーダーシップが必要になります。

一方のマネジメントは、目標達成のための手段を具体的に定め、適切に管理すること目標達成に貢献することです。たとえば、自社が掲げる数字目標を達成するために用意されたプロジェクトを管理することを「マネジメントする」と言います。

つまり、リーダーシップは長期的な視野をもつ必要があるのに対し、マネジメントは短期的かつ具体的な視野で物事を考える必要性があります。

よって、リーダーシップとマネジメントの違いは「具体性」「視野」という点にあると言えるでしょう。

リーダーシップが必要な理由

設定した目標を効率的かつ迅速に達成するためには、リーダーシップが必要不可欠です。リーダーシップをもった人物がいなければ、チームが前へと進まないため、目標達成に時間がかかってしまいます。

また、5人1組のチームがいた場合、個人によりモチベーションが異なるため、どうしてもパフォーマンスにムラが出ます。そこにリーダーシップのある人物が1人いれば、一定以上のモチベーションを引き出すことができ、目標の達成を早めることが可能です。

このように、リーダーシップがあることで社内やチームで設定された目標の達成をしやすくなります。

リーダシップの種類とは

リーダーシップの種類は下記の通りです。

・コンセプト理論

・PM理論

・SL理論

・レヴィンのリーダーシップ類型

・マネジメント・システム論

・マネジリアル・グリッド論

自分にとっての理想的なリーダーシップを探してみましょう。

コンセプト理論

コンセプト理論とは、ビジネスや事業における環境、メンバー構成、組織の現状などに適したリーダーシップの具体的な在り方を示した理論です。

本理論を代表するリーダーシップの概要は次の通りです。

理論の名前
概要
カリスマ型リーダーシップ
カリスマ型とは、並外れた力でチームを引っ張るリーダーシップを指します。
解像度の高いビジョンを提示し、リスクを一手に引き受けることで組織を強烈に引き上げます。ただし、リーダーへの依存度が高くなりやすいため、後継者が育ちにくくなるというデメリットがあります。
変革型
リーダーシップ
変革型とは、経営危機に面した企業をV字回復させるリーダーシップを指します。
新たなビジョンを構築し、変革のための組織作りを行います。
EQ型
リーダーシップ
EQ型とは、メンバーのモチベーションを上げてポジティブな方向へと導くリーダーシップを指します。メンバーの感情を汲み取ることでモチベーションを上げ、パフォーマンスを向上させます。
ファシリテーション型リーダーシップ
ファシリテーション型とは、メンバーの意見を吸い上げ、目標達成へと導くリーダーシップです。リーダーをメンバーと同じ立場であると捉え、全体の意見を反映させながらチームで動いていくことを重要視します。
サーバント型
リーダーシップ
サーバント(召使い)型とは、リーダー自らが召使いのように振舞いながら目標達成へ導くリーダーシップです。リーダー自らがメンバーをサポートすることで全体の士気を高めます。

PM理論

PM理論とは、社会学者「三隅二不二(みすみじゅうじ)氏」が提唱したリーダーシップ理論です。

PMとは、”Performance function=パフォーマンス(課題関連行動 )”と”Maintenance function=メンテナンス(対人関連行動 )”を組み合わせたものです。

パフォーマンスは「メンバーの徹底指導」「進捗管理の徹底」、メンテナンスは「意見の対立が起きた際の調整」「メンバー個人がもつ課題達成を促す」といったそれぞれの行動を高次元で行うことをPM理論と言います。

その他にも、パフォーマンスに強みがあり、メンテナンスに弱みがあることをpM理論パフォーマンスに弱みがあり、メンテナンスに強みがあることをPm理論大文字・小文字で強み・弱みを表現するケースもあります。

SL理論

SL(Situational Leadership Theory)理論とは、1977年にブランチャードとハーシィによって提唱された理論です。

本理論は、4つのカテゴリーで構成されています。

カテゴリー
概要
M1(指示型)
指示の程度が高く、協働の程度が低いタイプです。
メンバーへの一方的な指示により反発を買ってしまうリスクがあります。
M2(説得型)
指示の程度が高く、協働の程度も高いタイプです。
チームプレイを重んじる一方、メンバーに介入し過ぎることで不快な思いをさせてしまうこともあります。
M3(参加型)
指示の程度が低く、協働の程度が高いタイプです。
リーダーがメンバーを信頼し、バックアップに努めることで目標達成を促します。
M4(委任型)

指示と協働、どちらの程度も低いタイプです。

社員の個性や能力を信じ、目標達成を丸投げします。

レヴィンのリーダーシップ類型

レヴィンのリーダーシップ類型とは、アメリカ人の心理学者クルト・レヴィンが提唱した理論です。児童を対象にした実験により、リーダーシップの有効性を具体的に表した理論となっています。

本理論は次のパターンに分類されます。

パターン
概要
専制的リーダーシップ
メンバーは命令することによってのみ動くという前提で、すべての意思決定をリーダーが行うパターン。
自由放任的リーダーシップ
作業プロセスやスケジュール管理などにおける意思決定をすべて部下任せにするパターン。
民主的リーダーシップ
メンバーの意見を積極的に取り入れながら組織の課題や目標達成につなげるパターン。

マネジメント・システム論

マネジメント・システム論とはミシガン大学のレンシス・リッカートが提唱した理論です。

本理論は、組織をシステムと捉えたもので、次のパターンで構成されます。

パターン
概要
権威主義・専制型
統制の主体をリーダーとし、徹底的な課題思考をもつパターン。ワンマン社長によく見られるタイプです。
温情・専制型
統制の主体をリーダーとしながらも温情をもってメンバーに接するパターン。メンバーにある程度の思いやりや信頼があるものの、意思決定においては専制的に主導します。
参画協調型
統制の主体をメンバーとし、リーダーがあまり権限をもたないパターン。メンバー同士のやり取りが活発化するため、人間関係を良好に保ちやすいという特徴があります。
民主主義型

統制の主体をメンバーとし、統制や評価における意思決定もメンバーが行います。組織全体がフラットなため、モチベーションを維持しやすく、広範囲での相乗効果に期待できます。

マネジリアル・グリッド論

マネジリアル・グリッド論とは、テキサス大学のロバート・ブレイクとジェーン・ムートンが提供した理論です。

メンバーへの関心度仕事への関心度を数値で表した理論で、下記5つのタイプがあります。

タイプ
概要
1.1型(消極型)
メンバーへの関心度、仕事への関心度とも低いタイプ。自己防衛的な振る舞いが多く、成果への意欲が低いため結果が望めません。
1.9型(人間中心型)
メンバーへの関心度が高く、仕事への関心度が低いタイプ。メンバーとのコミュニケーションを重んじる一方、成果への意欲が低いため、利益を生みにくいです。
9.1型(仕事中心型)
メンバーへの関心度が低く、仕事への関心度が高いタイプ。成果を追うため一時的に利益を生み出せるものの、後継者が育たないため、持続的な利益を生みにくいです。
9.9型(理想形)
メンバーへの関心度、仕事への関心度ともに高いタイプ。メンバーと密にコミュニケーションをとりつつ成果を追い求める理想的なタイプです。
5.5型(中庸型)
メンバーへの関心度と仕事への関心度が中くらいのタイプ。突出した良さはないものの全体的にバランスのとれているタイプで、理想形の次によいとされるタイプです。

リーダーシップを発揮するために必要なスキル

リーダーシップを発揮するために必要なスキルは次の通りです。

・ビジョンを描き、組織やチームが進む方向を定める発想力

・考え出したアイデアから1つ選び決断する力

・組織を先導していく行動力

・相手の言動を読み取るコミュニケーション能力

・社内メンバーを信頼させる力

以下にて見ていきましょう。

ビジョンを描き、組織やチームが進む方向を定める発想力

ビジョンを描き、組織やチームの進むべき方向を定める発想力をもつことで、メンバーのモチベーションを維持させることが可能です。

具体的な方向性を示す必要があるため、組織構造や作業プロセスなどを体系化する能力も求められます。

考え出したアイデアから1つ選び決断する力

さまざまなアイデアを考えることも大切ですが、その中から1つを選び、決断する力も必要です。

また、そのアイデアを活かすために適材適所な組織作りをすることも求められます。

組織を先導していく行動力

リーダー自らが行動を起こし、組織を先導していく行動力も必要です。

良い行動をして組織にポジティブな力を与えることも大切ですが、悪い行動によりネガティブな空気を作らないことも重要になります。「メンバーが自分の背中を見ている」という意識を強くもつことが大切です。

相手の言動を読み取るコミュニケーション能力

メンバーや顧客の言動を読み取るコミュニケーション能力も求められます。

また、ただ話を聞くだけでなく、相手の価値観を受けいれて、意見や姿勢を尊重することも重要となります。双方向なやり取りを意識しましょう。

社内メンバーを信頼させる力

社内メンバーを信頼させる力も重要になります。

リーダーは、メンバーのお手本となる存在であるため、指示だけでなく自らが成果に貢献する必要があるのです。メンバーからの信頼を高めることができれば、良い循環が生まれやすくなります。

身につけたリーダーシップを高める方法

身につけたリーダーシップを高める方法は次の通りです。

・社内での心理的安全性を高め、信頼関係を強める

・意思決定を意識的にする

・先駆者から学ぶ

以下にて解説します。

社内での心理的安全性を高め、信頼関係を強める

メンバーとのコミュニケーションを積極的にとることで、社内での心理的安全性を高め、信頼関係を強めることが可能です。

年齢や階級が違うさまざまな人とコミュニケーションをとるのは難しいため、多様な考えをもつ人が集まる社外研修などに参加してみるのもよいでしょう。

意思決定を意識的にする

日々の生活で発生する意思決定を意識的にすることでリーダーシップを高められます。

たとえば「一つの問題に対して浮かんだ複数の解決パターンを瞬時に精査して行動に移す」といった練習方法があります。何度も繰り返すことで意思決定の精度やスピードを高めることが可能です。

先駆者から学ぶ

身の回りにいるリーダーや、歴史的に有名なリーダーが執筆した著書から学ぶのも一つの方法です。

ただ読んだり聞いたりして学ぶのではなく、行動に移すことまでをワンセットにすることで、より早くリーダーシップを高められるでしょう。

リーダーシップを自己PRで使うときの注意点

リーダーシップを自己PRで使う際の注意点は次の通りです。

・リーダーシップをキャッチフレーズ化する

・PRできる事例をつくる

・得られた効果・評価を洗い出しておく

それぞれの注意点について解説します。

リーダーシップをキャッチフレーズ化する

「リーダーシップがあります」と記載するのではなく「どういったリーダーシップをもっているのか」を記載することで説得力をもたせられます。

たとえば「目標達成のビジョンを示しつつ、部下を引っ張り上げることができます」といったキャッチフレーズが考えられます。

また、キャッチフレーズ化しておくことで、自分の強みを明確にアピールすることが可能です。

PRできる事例をつくる

リーダーシップをPRできるような事例をいくつか作っておきましょう。

その際、「5人の部下をまとめて売上目標を達成しました」と結果だけを述べるのではなく「仕事を部下に任せることで自信を持たせ、成長に寄与した」といった過程の部分を記載することが大切です。

得られた効果・評価を洗い出しておく

リーダーシップを発揮した際に得られた効果や評価を事前に洗い出しておくことも大切です。

効果や評価をリストアップしておくことで、応募先のニーズに合った自己PR文を作りやすくなります。また、自分の強み・弱みを客観視できるため、PR文の説得力を上げることにもつながるでしょう。

まとめ

本記事では「リーダーシップの理論」「リーダーシップを向上させる方法」などを紹介しました。

リーダーシップを身に付けることで、企業の業績に貢献できるようになるため、キャリアアップに必要な「実績」を得られます。

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