2〜3年で転職を繰り返していて、1つの企業に定着しない人材のことを指すジョブホッパー。あまりポジティブではないイメージを持たれがちですが、ジョブホッパーであるからといって必ずしも転職が不利になるとは限りません。この記事では、ジョブホッパーの特徴から転職で成功するためのポイントをご紹介します。
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ジョブホッパーの定義と背景
ジョブホッパー(jobhopper)とは、特定の業界や職種、企業に定着することなく転職し続ける人物のことを指します。
たとえば、10社以上での勤務経験があったり、30〜40代でも数年ごとに転職を繰り返したりしている場合が該当します。
1つの業界や職種に定着することなく転職し続けるジョブホッパーは、転職市場ではどのような印象で見られているのでしょうか?またジョブホッパーの多い業種や、間違えられやすいキャリアビルダーとの違いについても見ていきましょう。
ジョブホッパーの転職市場での印象とは
一般的に転職市場においては、ジョブホッパーはネガティブな印象で捉えられています。
多くの企業では「継続して働き続けてくれる即戦力の人材」を求めています。そのためジョブホッパーのように、短い期間で転職を繰り返している人に対しては、「雇ったとしてもすぐに転職してしまうのでは?」と不安を感じて、マイナスな印象を持ってしまうケースがほとんどです。
また企業の採用担当の中には「継続して働き続けることができない=その人物に何か問題があるのでは?」という懸念を持つ人もいます。
他にもスキル面や経験面での浅さを問題視する企業もおり、確固とした転職理由や培ってきた経験・スキルがない限り、ジョブホッパーが転職市場においてネガティブな印象を持たれてしまうのは避けられないでしょう。
ジョブホッパーの多い業種
ジョブホッパーの多い業種としては、IT系もしくは外資系が挙げられます。
エンジニアなど専門的なスキルを有している人が多いIT系は、ジョブホッパーの多い業界です。業界全体的にスキルアップに意欲的な人材が多く、スキルを身につけた人は条件の良い会社にどんどん転職していくこともジョブホッパーが多い理由として挙げられます。
また外資系もジョブホッパーが多い業界です。終身雇用制度の概念がない外資系企業では、そもそも1つの企業に長く勤めるということは稀なケースです。
さらに外資系企業では、日本の企業とは異なり転職回数の多さ自体が、採用時の判断基準として捉えられていません。そのため外資系企業では転職自体がポジティブなものとして捉えられており、転職回数が多いことも「スキルがあり経験豊富」「多くの企業に挑戦できる能力がある」とみなしてもらえます。
ただし転職が多いことには、明確な理由がなければなりません。転職理由が曖昧なジョブホッパーの場合、外資系企業であっても転職することが難しいでしょう。
キャリアビルダーとジョブホッパーの違い
キャリアビルダーとは、計画的に転職をしてキャリアを積み重ねる人のことを指します。転職をするたびに、前職よりも待遇や収入面で良くなっているケースが多いのがキャリアビルダーの特徴です。
ジョブホッパーもキャリアビルダーも短いスパンで転職を繰り返すという点では同じのため混同されることも多いですが、根本的には異なります。
キャリアビルダーが収入アップや待遇面の改善といった目的がある一方で、ジョブホッパーは明確な目的のないまま転職を繰り返すからです。
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ジョブホッパーの特徴とメリット
ジョブホッパーと呼ばれる人には明確な特徴があります。ここでは「どのような人がジョブホッパーなのか」と、ジョブホッパーになることのメリットについて紹介します。
ジョブホッパーの10の特徴
ジョブホッパーに該当するのは、以下に挙げる10の特徴や習慣を持つ人たちです。
向上心がある
ジョブホッパーの人は「今よりもスキルを磨いて経験を積みたい」という向上心を持っています。
一般的な人よりもスキルを得て成長したいという意欲があり、自分を磨くことを怠りません。
そのため、現在働いている環境では成長できないと感じたら、成長できる環境に身を置くために転職を考える傾向にあります。
自分を客観的に理解している
ジョブホッパーになる人の特徴として、自分を客観的に理解していることが挙げられます。
そもそも自分を客観的に理解していなければ、何度も採用面接を経て転職をすることはできません。
自分を客観的に理解しているため、転職時に企業の採用担当の人に対しても効果的にアピールできることから面接なども得意としている人が多いのがジョブホッパーの特徴と言えるでしょう。
転職理由を具体的に持っている
何度も転職を繰り返すジョブホッパーの人は、自分が転職をする理由を具体的に持っています。
【ジョブホッパーの人に共通している主な転職理由の例】
・今よりも給料をアップさせたい
・待遇面で恵まれている職場で働きたい
・キャリアアップするために転職したい
・現在の環境では成長できる可能性がないから転職したい
なんとなく今の仕事が嫌だからやめるといった理由ではなく、上記のようなはっきりとした転職理由を持っているのがジョブホッパーの特徴です。
行動力がある
ジョブホッパーの人は、思い立ったらすぐに行動できる力があるのも特徴です。
そもそもほとんどの人は転職したいと思っても、時間や手間がかかることを理由に行動に移さないことが多いです。
しかしジョブホッパーの人は「転職すべきなのでは?」と思ったらすぐに行動へ移します。特に働いている会社で不安や不満・疑問を感じたら、ジョブホッパーの人はすぐに転職に向けて動くことが多いです。
自分の長所と短所を理解している
ジョブホッパーの人は、自分自身の長所と短所を客観的に理解しています。
ほとんどの人は、自分の長所と短所を尋ねられたとしてもすぐに答えることはできません。
しかしジョブホッパーの人は、自分を客観的に理解していることから、自分の長所短所を明確に理解して分かりやすく伝えることができます。
そのため転職活動においても、面接時に自分の長所と短所を分かりやすく説明してアピールすることができるのです。
広い人脈がある
短期間で転職を繰り返すことが多いジョブホッパーの人は、広い人脈を有しているのも特徴と言えるでしょう。
行動力もあることから、仕事以外にも複数のコミュニティに属して人脈を広げている人も多いです。
自分自身で得た広い人脈から、興味関心のある新しい職場を見つけることもあります。
自分に自信がある
ジョブホッパーの人に共通している特徴として、自分に自信があることも挙げられます。
自分のこれまでの経験やスキルに自信を持っており、もし今の職場とは合わないなと感じたらすぐにでも働く場所を見つけることができると思っている人もジョブホッパーには多いです。
興味のある分野や趣味が幅広い
興味のある分野や趣味が幅広く、1つの業界や職種に長くとどまり続けないというのもジョブホッパーの人の特徴として挙げられます。
行動力があるので、興味のある分野や趣味ができたらすぐに挑戦するためです。一方で、興味関心のある分野や趣味が幅広いことから、1つの物事を極めることが苦手という場合もあります。
気持ちの切り替えが早い
何回も転職活動をしていると、希望している企業の採用面接や試験に受からないことも多いです。
しかしジョブホッパーの人は気持ちの切り替えが早く、落ち込むことなく次に向かって動けるという特徴もあります。
いつまでも気持ちを引きずることなく切り替えることができるので、何度も転職することに成功しているとも言えるでしょう。
ゆずれない信念がある
絶対にゆずれない信念があるというのも、ジョブホッパーの人たちに共通した特徴です。
自分にゆずれない信念があるために、それにそぐわないことを要求されると転職を考えることもあります。
ジョブホッパーになるメリット
ジョブホッパーにはいくつものメリットがあります。ここでは代表的な3つのメリットを紹介していきましょう。
スキルや経験が増える
興味のある分野に対して積極的に挑戦するジョブホッパーは、一般の人では得られないスキルや経験が増えやすいというメリットがあります。
豊富な経験や様々なスキルから、ジョブホッパーの人は他の人では考えつかない斬新なアイデアや視点を持っていることも多いです。
ジョブホッパーとしてあらゆる分野をまたいで活躍し続けてきた人は、誰もが思いつかなかった組み合わせや新しいサービス・商品を生み出すことも期待できるでしょう。
コミュニケーションスキルが高まる
様々な環境で多くの人と関わり合うことから、ジョブホッパーの人はコミュニケーションスキルが高まりやすいというメリットもあります。
1つの職場で働き続けていては関わることのできない多様な人々と触れ合うことで、他人に対しての接し方が磨かれるためです。
向上心が高まる
短い期間で転職をするジョブホッパーの人は、自分の将来やなりたいビジョンを見据えて経験を積んだり、スキルを身につけたりしているケースが多いです。
そのため向上心が高まり、「自分自身の市場価値を上げたい」「常に経験を積みたい」といった意識を持って働くことができるようになります。
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ジョブホッパーのデメリットとは?
日本企業の中には、ジョブホッパーの転職歴について懸念を持つところもあります。以下のような人物と思われないためにも、しっかり対策を講じておく必要があるでしょう。
転職歴から飽きっぽく忍耐力が足りないと思われる
何度も転職を繰り返すジョブホッパーは、過去の経歴から飽きっぽく忍耐力が足りないと思われることが多いです。
もっとも転職する理由が明確であり、相手に対してしっかりと説明できれば転職回数が多いことも好意的に見てもらえます。
たとえばエンジニアとして働いている人の場合、三次請けの開発会社にいた人が、上流企業→sler→事業会社のエンジニア→ITコンサルタントと転職を重ねているのであれば、目指す方向性が明確でありステップアップを繰り返していたと評価してもらえます。
人間関係を深められない人物だと思われる
何度も転職を繰り返していることから、人間関係を深められないのではと敬遠されてしまう可能性もあります。
しかしそういった場合でも、採用担当の人と誠実にやり取りを続けることによって、コミュニケーションスキルに問題はないと判断してもらえます。
協調性が低いと思われる
ジョブホッパーは、過去の転職歴から協調性が低いのではと思われがちです。また転職をする理由に関しても、スキルアップのためやキャリアアップのためではなく、人間関係に問題があるのではと疑われてしまうことがあります。
こういった誤解をされないためにも、転職をする際は必ずこれまでの転職した理由と目的を前向きかつ明確に説明できるように対策する必要があります。
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ジョブホッパーが転職で成功するためのコツ
ジョブホッパーの人が転職で成功するためには、以下の3つのコツを抑えておく必要があります。
転職の軸を明確にする
ジョブホッパーの人が転職で成功するためには、転職の軸を明確にすることが重要です。
これまで転職してきた過去を振り返って、なぜ何度も転職を重ねてきたのか明確に相手に対して伝えられるようになる必要があります。
たとえば「営業を極めたいと思いあらゆる業界の商材に携わりたかった」「エンジニアとして上流に行くことを目指して転職を繰り返した」など、明確な軸があれば企業も好意的に捉えてくれます。
何も軸はないという人も、なぜ転職してきたのかを1社1社振り返って、共通点を探してみると良いでしょう。
ネガティブな理由で転職し続けた人でも、理由をポジティブなものに言い換えてみると転職に成功しやすいのでおすすめです。
たとえば「人間関係でうまくいかなかった」という理由なのであれば、「切磋琢磨しながら成長できる環境で働きたかった」「企業の目的や理念に共感して働きたいと思っていた」といったポジティブな言い方に変えてみることを意識してみましょう。
培ってきた経験・スキルをアピールする
ジョブホッパーの人が転職するためには、培ってきた経験やスキルを洗い出す作業が必要不可欠です。
希望している企業の求人情報や理念をチェックして、培ってきた経験やスキルから求める人材像に合わせてアピールするのが良いでしょう。
そのうえで経験した会社の数が多いからこそ、業務に役立つスキルや経験があることを強調できるとポジティブな印象で見てもらえます。
転職理由を明確かつ有利に伝える
ジョブホッパーの人が転職活動を成功させるためには、過去に転職した理由を明確にしなければなりません。
転職理由が曖昧で明確に答えられない場合、企業から「継続性がなく何か問題があるのでは」と思われてしまいます。
逆に転職理由を明確に答えることができれば、他の人たちよりも企業にポジティブな印象を与えることが可能です。
そのためには過去に転職した会社を1社ずつ振り返って、なぜ転職したのか理由を答えられるように対策しておくことをおすすめします。
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まとめ
転職回数が多く企業からもマイナス面の印象を持たれやすいジョブホッパーですが、転職理由や転職する軸がしっかりしているのであれば問題ありません。
むしろ前向きな理由や着実なキャリアアップに成功していれば、企業に対しても過去の転職回数をポジティブに捉えてもらえます。
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