【後編】Clear・生駒龍史×BNGパートナーズ・岡本勇一&高島琉衣
「世界で愛されるグローバルラグジュアリーブランド」を目指すClearの代表が語る、ブランディングと組織・採用戦略の紐づけ方とは

「日本酒の未来をつくる」をビジョンに掲げ、ラグジュアリー日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」を運営する株式会社Clear。社員数20名前後のスタートアップながら、日本酒における高価格帯市場を切り拓き、業容を拡大させています。同社が目指しているのは、「SAKE HUNDRED」をグローバルラグジュアリーブランドとして確立すること。それが、業界に大きな価値をもたらすと信じているからです。そのためにも、資金調達や採用活動に積極的に取り組んでいます。

同社の代表取締役CEO、「SAKE HUNDRED」ブランドオーナーとして数多くの魅力的なプロダクトを生み出し、日本酒産業に希望の光をもたらしたのが生駒氏です。まさに、業界のイノベーター・革命児と言えます。「会社経営の本質の一つは、約束事を決め、それを守ること」と力説する生駒氏が、ビジョンの実現に向けてブランド戦略を組織・採用戦略に落とし込んでいくために何が必要だと考えているのか。BNGパートナーズエグゼクティブサーチ事業部長として、あらゆる採用の最前線に精通した岡本勇一、コンサルタントの高島琉衣が対談を通じて、紐解いていきます。後編では、ブランド戦略を組織内に浸透させるポイントや今後の事業展望をテーマとします。

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日々の事業活動がブランディング。文化として作っていく

高島:組織内にブランディングの重要性を浸透させるために何か活動をされていますか。

生駒:特にはしていないです。日々の事業活動そのものが、ブランディングであるべきだと思います。なので、小さな意思決定であっても「ブランドとは何か」という問いかけが入ってきます。具体的には、広告を出す時の表現や色使い、リリースでの言葉遣いなど一挙手一投足に現れます。そうした日々の業務の中で、「僕らが言っていることに合致しているのか」ということは、社内で良く話すようにしています。

岡本:意思決定の考え方を社員一人ひとりにどう落とし込んでいるのですか。

生駒:社員の言動一つひとつに対して細かくフィードバックしています。
それしかありません。大きなテーマは全員が理解してくれます。採用した際にも、オンボーディングして「うちのブランドはこうだ」とイニシャルの導入を必ず行っています。

でも、日々の業務への落とし込みは一朝一夕では難しい。だから、僕は細かいことまで注意するようにしています。「この表現ではダメ。なぜならこういう理由だからだ」と言っていくと、社員も理解してくれます。

恐らく、マニュアルを作ったとしてもマニュアル外のことは幾らでもあるじゃないですか。そうすると判断ができなくなってしまいます。ブランドもお客様も生き物です。何が起こるかわからないものをマニュアル化するのは無理なのです。なので、文化として作っていくしかありません。それが、ブランドの強みになっていきます。

良く、スタートアップ界隈においては「再現性がなければいけない」と言われることがあります。だから、マニュアルがあるべきで、誰が行っても成果を再現できるようにする必要があるということですが、実際はそんな簡単ではありません。 

「SAKE HUNDRED」もそうです。そこには目に見えない文化みたいなものがあります。「俺たちはこういうことをやるんだ」という想いがあるからこそ、めちゃくちゃ細かいことを言う。それによって、何となく輪郭が見えてきて心で理解できるようになります。そういうものがあった方が良いと思います。別に、マニュアル作りを否定しているわけではありません。マニュアルは決して万能ではなくて、むしろブランドらしさはマニュアルの外にあると僕は思っています。

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市場環境や成長のフェーズに合わせて、流動的に採用を進める

高島:どのような採用基準を設けているのかもお聞かせいただけますか。

生駒:採用における絶対条件は、素直で良い人です。人に思いやりがあって優しくて、誠実なコミュニケーションが取れる方ですね。
Clearならでは言えば、日本酒というプロジェクトに対する確信も必要です。「日本酒ってイケるよね」みたいな、産業やプロダクト、ブランドに対する自分なりの確信、ないしは手応えでも良いです。

岡本:採用に対する根底の考え方もお聞かせください。

生駒:採用の哲学としては、その時その会社に必要なスペシャリスト人材をお迎えしたいと思っています。市場環境も会社の状況もすごく流動的です。

例えば、コロナ禍と今とでは事業のケイパビリティが違います。
コロナ禍ではデジタルが伸びていたので、そちらに知見のある人材を採用することに力を入れておりました。

でも、今は多面的になってきています。やらなければいけないことが多く、水平展開している状況です。核となる部分は持ちつつ、「今ここが足りない」というところは、業務委託やプロジェクトとして組成させていきたいです。

また、今年は特にグローバルを頑張りたいです。
なので、グローバルで事業を伸ばした経験のある人が欲しいです。スーパーマンも歓迎ですけれどね。あとは、僕のスキルを補完できるメンバーも大歓迎です。

僕が得意とするのは、ブランディングや商品開発、カルチャー形成といったところです。

どちらかと言えば、クリエイション側に寄っています。それを補い、バランス良く会社を経営していけるようサポートしてくれる方は、ぜひ採用したいと思います。

高島:バリューの浸透という点もお話をお伺いできますか。

生駒:バリューの最も大事なところは、経営者及び経営チームがそれを完全に再現していることだと思います。Clearには5つのバリューがあります。僕たちは言語化を大事にしているので、経営者がまず自分の背中や言葉で言い続けますし、社員もそれを見続けます。

同時に、毎日の朝礼を通じて社員がバリューについて話す機会を設けています。結構細かい施策ですが、効果はあると思っています。

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「心を満たし、人生を彩る」。ブランドパーパスの実現を目指す

岡本:最後に今後の展望をお聞きしたいと思います。グローバル事業の拡大への想いからお聞かせいただけますか。

生駒:僕はブランドを立ち上げた時から、「グローバルラグジュアリーブランドになっていきたい」とずっと言い続けてきました。
それには理由があります。国内における日本酒市場は4,000億しかありません。

でも、海外のラグジュアリー市場は200兆円です。そこで選ばれれば、売り上げを日本市場に流入させることができます。

結果として大きなお金が日本の産業に吹き込み、日本酒の市場規模が大きくなっていくと考えています。もっと言えば、経済的なサステナビリティに「責任」を持つ集団になりたいと思っています。日本酒を儲かる産業にしたいということです。
そのためにも、海外に出ていくべきなのです。

世界で「SAKE HUNDRED」が愛されるようにしていきたい。

それには、「日本酒を飲んだらどうなってもらいたいのか」も大事です。
僕らには、「心を満たし、人生を彩る」というブランドパーパスがあります。

世界中でそういった体験を提供させていただきたいんです。

究極的には、美味しいお酒、優れたブランドを体験することで、世界が平和になっていく。
それをやり遂げたいと思っています。

岡本:その実現に向けて、どんな壁があるとお考えですか。

生駒:壁は沢山あります。一つはブランドをいかに育てるかです。
何故なら、ブランド力は凄く抽象的なものだからです。何をやれば何が積み上がるのかという因果も凄く難しいです。打算なく中長期のスタンスで取り組んでいかないといけません。

それでも、科学的にやっていきたい気持ちもあるので、「ブランドの成長とは何か」を高い解像度で、しかも実体験を重ねてやっていきたいです。

もう一つは、グローバルです。
これは、途方もないことです。何しろ、日本以外のすべてが市場なのですから。
そこに対して仮説を持って検証し、世界にアジャストしていかなければいけません。

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ブランド作りは長い旅。そこに価値を見出す仲間と共に歩んでいきたい

岡本:それらの壁を乗り越えていくための採用戦略についてもお聞かせください。

生駒:スタートアップだと皆同じ言葉になってしまうかもしれませんが、ブランドを作るというのは本当に長い旅だと思います。
世界で日本酒が飲まれるようになる文化を作ることでもあるのですから。

決して、1年や2年で定着するものではありません。
僕は自分が死ぬまでやりたいと思っています。

ブランド作りに何よりも大事なのは、長く取り組み続けることです。
そこに価値を見出してもらえると良いです。国内で5年ほどやってきて手応えはありますが、まだまだ黎明期です。

荒波に揉まれている状態です。むしろ、そういう状況を楽しんで一緒に成長していける人を迎えたいです。そうでないと、恐らく無理でしょう。
強い覚悟がある方でないと今の僕らには合わないですし、世界でやっていけないと思います。

岡本:御社の事業成長につながるような人材を紹介できるように今後も採用をお手伝いさせてください。貴重なお話、ありがとうございました。

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