“成功する起業家”はこうやって見極める!
投資のプロが自らの成功と失敗から導き出した投資戦略を全公開!
新潟ベンチャーキャピタル株式会社
取締役 星野 善宣

ご自身で立ち上げた会社を運営し、それ以外に2つのVCの取締役をも務める星野善宣氏。「新潟から日本へ 新潟から世界へ」の実現をめざす熱い想いを本音で語ってくださいました。

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―今までのご経歴、また現在に至るまでの経緯、背景などについて教えていただけますか?

星野氏:生まれは新潟で高校まで地元で過ごし、その後北海道大学で理系を学びました。でも、エンジニアとしてこのまま研究を続ける気になれなかったので、就活では自分の力で勝負できる職場として商社を選び、入社したんです。

 

そこで、M&Aで合併した企業などを見て経営に興味を持ちはじめ、そのうち「おもしろい会社を自分でつくろうかな」という思いが強くなり、会社を起こすことを決めました。

ただ、準備をするにも何もノウハウがなかったんですね。そこで、コンサルティングファームに転職し、勉強してから独立して会社を立ち上げたんです。

 

現在21名体制(うちプロパー5名)で、案件を受注し制作して納めていますが、私たちはブランディングコンサル案件を半年~年間で契約して月次でお金をいただいています。さらにそこに制作案件や新卒募集パンフレット作りなども入ってくるので、案件を継続いただければ、毎年比較的安定した収入が確保できるようになりました。

 

そんな状況になってきたなか、数年前から地元新潟の経営者の方々とお会いする機会も増えていったんですね。

そんな中、現事業創造キャピタル(株)の取締役会長で(株)アルビレックス新潟の会長でもある池田弘さんから、「おまえも、いいかげん新潟に貢献していけよ。キャピタルの方で人が足りないから一緒にやってみては」とお声がけをいただき、合流することになりました。

 

 

―今、星野さんはご自身の会社以外で、事業創造キャピタルと新潟ベンチャーキャピタルの取締役を務めていらっしゃいますが、両社はどのような関係なんですか?

星野氏:事業創造キャピタルは、もともと池田さんが運営する民間教育機関 NSGグループのベンチャーキャピタルとして設立された会社です。地銀さんや地元の企業さんからお金を集めさせていただいたファンドを運営し、もう10年くらい経ちます。

 

その後、今から6年位前でしょうか。新潟県がお金を用意するので、それを運用するベンチャーキャピタルを県内に設立する、という新潟県の公募の話があったんです。それで、事業創造キャピタルが、新潟のいろいろな事業会社の社長さんを株主として集めさせていただいてつくったのが、新潟ベンチャーキャピタルです。

両社はグループ関係にはなく別会社ですが、どちらも代表取締役社長を永瀬が務め、私も取締役を兼務していますので、とても深い関係にあるといえます。

 

 

―ご自身で起業されたパートナーオブスターズと取締役を務めている2社とは、どんなふうに業務を切り分けていらっしゃるんですか?

星野氏:自分の会社では、新規事業や私自身が担当している一部の案件だけは私が見ていますが、その他はほとんど任せています。業務の割合としては、今は自分の会社が15%、事業創造キャピタルが15%、新潟ベンチャーキャピタルが70%くらいですかね。新潟ベンチャーでは今年の6月に私もファンドの立ち上げから担当した新しいファンドがスタートし、現在投資などを実行している段階なので、それで時間がとられています。

 

 

―新潟ベンチャーキャピタルさんは、今どのような投資戦略を考えていらっしゃるんですか?

星野氏:私たちがもっているファンドは、基本的には地銀さんや新潟の事業会社さんから集めているので、新潟の経済に貢献できるようなベンチャーさんに投資しています。本店が新潟にあるのが一番いいんですが…。

新潟経済へのいい意味での影響を考えて、比較的業界は幅広く、レベル感もアーリーからレイターまでバラバラで入れていっています。ポートフォリオを結構拡散していっているのと、あとは、新潟にはメーカーさんや製造系の会社が多いので、IoT分野のベンチャーさんをひっぱってきてくっつけるというスタンスでも投資していますし、新潟出身で東京でチャレンジしている経営者が経営する企業にも投資していきます。そんな経営者が地元新潟に新しい刺激や、ビジネスを展開してくれることを目指しています。

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―新潟というエリアを区切った上できちんとイグジットできるようなベンチャーを見極めるとなると、結構大変ですよね。

星野氏:正直いって大変です。私が投資担当をしていたわけではないのですが、事業創業キャピタルで運用してきたファンドでは、正直あまりトラックもよくなかったですし、新潟ベンチャーで県から資金を預かっているファンドについては、雇用を生み出さなければならない事情もあり、ベンチャーで固定費を増やす事業戦略を書かせなければいけなかったりするので、結構難しい投資だったとは思います。

もちろん、信じて伸ばしていっている最中ではあります。

 

あとは、新潟でもともとある程度の規模で事業をされている企業の第二創業的なところで、イノベーションを起こしてガッと伸びるような案件がいいと狙っています。

(株)スノーピークさんがそのいい例ですが、新潟にはシェアトップを取って収益性が取れているメーカーさんがたくさんあります。売上が5億とか10億とかあがって安定はしているから、現在はアクセル踏まなくても…という会社さんに、なんとか上場の方に向いてチャレンジしていただくようなサポートをしたいと思っています。

 

 

―新潟出身以外、たとえば東京出身の人にも投資する可能性はありますか?

星野氏:もちろんあります。ただ、事業計画の中で新潟での事業展開が入っている、もしくは新潟にもってくることで新潟の産業が伸びるなど、なんらかのところで「新潟が絡んでいる」という条件がブレることはないですね。農業系などは、このような基準で選んでいる企業がいくつかあります。また、キャピタルで働く友人、知人も多いので、首都圏のいい案件についてはご紹介いただくこともあります。

 

 

―ここは投資しても大丈夫だという投資判断基準やその優先順位について教えていただけますか?

星野氏:本当に強いリソースを持っていたり技術力があったりすればもちろん評価しますが、ベンチャー企業の事業内容はもともと創造的、革新的であるので、正直、事業内容はあまり気にしていないです。それよりも、ボードメンバーを一番見ていますね。

投資を決定するまでに、私たちは経営者から、会社への想いや、その事業に取り組んでいる理由などについてじっくりと話を聞きます。そのときに、きちんと答えてくれるか、話がブレていないか、人を巻き込む力があるかなど、口先だけのやる気ではなくてちゃんと考えているかどうかを見ています。

 

 

―なるほど。今回投資決定されたFULLER(株)さんの場合は、経営者の方のどこがいいと思われたんですか?

星野氏:こちらは私が直接の担当ではないのですが、まず、ご本人含め、経営陣が新潟出身で「新潟で何かしたい」という強い気持ちをお持ちだったことです。現に地元からかなり人員を採用してましたし、開発拠点もつくっていくことを検討していたところです。自社のファンドの趣旨としてもとても合うだろうということで、この部分はすごく評価にプラスでした。
また、懇親会などで一緒に飲んでいろいろな話をする中で素の部分もよく知ることができ、若いながらもめげない方だと感じたことも高評価の要因です。

 

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会社:FULLER株式会社
設立:2011年11月15日
代表:渋谷 修太
事業内容:スマートフォンアプリ分析支援事業、スマートフォンアプリ開発支援事業
圧倒的なサンプル数で他社アプリデータを解析行う「App Ape Analytics」
アプリが誰に、いつ、どのくらい使われているのかを調査することが出来る上、他社アプリのアクティブ率、インストール推移、性別割合なども調べる事が出来る。

 

 

―いろいろと見極めて投資をしてこられたと思うんですが、投資の成功事例について聞かせていただけますか?

星野氏:(株)エルテスさんは、私が最初に担当した案件なんですが、上場してよかったなという気持ちがありますね。当社はレイターで入れたんですが、代表取締役の菅原さんご本人も自信とやる気、ボードメンバーの強化でも行政関連も考慮に入れた戦略的な取組み、バックボーンで優秀なメンバーが入っていくのも見ていたので、大丈夫だろうと思いました。

事業もこれから伸びる領域でしたし、あまりリスクは感じなかったです。どちらかというと、最後に入れさせてよ、みたいな感じでした(笑)。運も良かったです。

 

 

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会社:株式会社エルテス
設立:2004年4月28日
代表:菅原貴弘
事業:リスク検知に特化したビッグデータ解析によるソリューションの提供
同社はWEBリスクのコンサルティング会社である。「誹謗中傷対策」は日本初のサービスであり、同社がパイオニアとして確固たる地位を築く。今後は、サイバーセキュリティとビジネスインテリジェンスという2つの領域で、ビックデータを活用し、事業を拡大していく予定。

 

 

―投資二社目はどちらの企業だったんですか?

星野氏:こちらは直接の担当ではなかったですが、一緒に投資検討を進めました。(株)クリエ・ジャパンという会社で、まだ売上もさほど立っていないスタート時にシリーズAでの投資だと思います。ここは、パーソナライズド動画という個人向けにカスタマイズできる動画の生成エンジンを提供している企業です。

たとえば、生命保険会社さんが、既に持っている顧客情報をそのシステムにいれると、個人に合わせた動画が1本ずつ生成され「こんな保険に入ったほうがいですよ」というサービス内容を紹介する動画を作ることができるんです。システムの使い方はその他にもいろいろあるので、国内のこの分野ではここがトップシェアをとってもらいたいと考えています。

また、代表取締役が2人いらっしゃるんですが、そのうちのおひとりが新潟出身であり、(株)ディー・エヌ・エーの経営企画室長として上場経験がある方で、「新潟に貢献したい」という強い想いをお持ちだったんです。もうひとりの方もソフトバンクで孫社長の傍で働いていた方なので、経営者のお二人がともに特徴的だったというのも決め手となりました。

 

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会社:株式会社クリエ・ジャパン
設立:2010年2月1日
代表:南野智近
事業内容:Webサービス事業、ITソリューション事業、テクノロジーサービス(システム開発・運用)など
日本で初めて、かつ、唯一(※)のパーソナル動画生成ソリューションのPRISMの開発・運用や(※2014年11月現在、同社調べ)、ビーコンを利用した屋内・屋外ロケーションサービスを簡単に構築・提供することができるクラウドサービス「Tangerine」の開発・運用を行なっている。他にも事業企画や戦略企画などの上流工程からサービス開発、プロダクション環境の運用までワンストップでサポートを行なっている。

 

 

―逆に失敗事例をお聞きしてもよろしいですか?どんな意思決定だったからあまりよくなかった、という理由なども伺いたいです。

星野氏:やはり投資したときとその後で、すぐに事業プランがガラっと変わってしまった企業の場合、よい結果を出せていません。そもそもリソースがなかったり、経営者の方が事業に対してあまり思いがなく優柔不断だったりして、約束していたビジネスができなかったというケースですね。その部分をきっちり担保しないまま投資実行したことが失敗でした。リカバリーもかなり苦戦しています…。

 

 

―経営者の見極めは難しいと思いますが、多くの経営者の中で、この人は成功するだろう、または投資したいと思うポイントは何ですか?

星野氏:確かに難しいですね。いい人だから成功するわけでもないですし、すごく熱い人でも成功しない人はしないですから。ただ、私が見てきた中では、素直な人は成功しやすいと思います。事業に対しては想いを貫く部分も必要ですが、周りの意見を素直にどんどん取り入れていくタイプの人は、伸びていますね。もちろん、最終的な決断は本人がするところですが。

見極めるのは難しいので、できるだけたくさん会うようにしています。投資の話の場だけではなく、メールや電話なども含めてできるだけいろいろな話をする場をつくって、普段の様子なども踏まえて見極めることが大切だと思っています。

 

 

―これからいろいろ投資されていくと思うんですが、星野さんにとって、どういう投資家が理想ですか?

星野氏:全てをイグジットできたりIPOできたりしなくてもいいと思うんですが、ファンドを閉じるときに、それぞれきちんとイグジット切れる人はすごいなと思いますね。どんな投資先に対してでも、買戻しでも売却でも構わないんですけれど…。

投資するのは変な話、簡単ですし、いくつかいい案件入れればトラックも出きるとは思うんです。でも、出ない案件についてもきちんといい具合にクロージングかけていけること。私としては、そこを大切にしてファンド運営をしたいと思っています。

もちろん、リターンは出さないといけないですが、私たちのそもそものコンセプトが地方創生というファンドなので、ただ投資してダメだったらダメということで終わらせたくはないんです。イグジットであまりバリューつかなかったけれども、その事業がビジネスとして伸びて残っていく、というところをきっちりサポートできることが重要かなと思っています。

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―最後に、起業家の皆さんに向けてメッセージをお願いします。

星野氏:私自身、おもしろい会社をいっぱい作ろうという想いがあり、みんなでわいわいやれたらいいなと思って起業しているので、キャピタルとしてだけじゃなくてもサポートすることができます。ただ、支援する上ではやはり資金的なものも必要なので、その部分はキャピタルをうまく使ってもらいたいです。

あとは、いろんなベンチャーや事業会社さんと組んでやってきた経験があるので、他の独立系のファンドさんでいわゆるキャピタル(投資)だけやっているところより、かなり手厚くサポートできると思います。特に、「シリーズAくらいのところをBに持っていく」ところに力を注いでいきたいですね。

これからも、スタッフ、そして周りで上場した人なども巻き込んで、「これからスタートする人たちをいかに応援していくか」を考えていきますので、一般のキャピタルじゃないリソースが欲しいときなどには、ぜひお声をかけていただきたいです。

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株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ 代表取締役 田島聡一氏

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■経歴

大学卒業後、1997年4月に当時のさくら銀行(現:三井住友銀行)に入行しました。約8年間にわたり銀行業務に携わる中で、担当させていただいた多くの経営者から「新たな設備投資をしたい」「こういう新規事業がしたい」と言った前向きな相談をいただいていました。しかし、当時のメガバンクは不良債権問題による公的資金の注入や経営統合など激動の時代だったこともあり、しっかりとした過去の実績や財務基盤がないとなかなか前向きな融資をすることはできませんでした。

 

そんな状況下で、経営者の本気の思いに応えたいという気持ちと、銀行員としての自分ができることのGAPがどんどん大きくなっていきました。銀行員を選んだのは、若くして経営者に会える仕事であるということと、ファイナンスという形で企業を積極的にサポートすることで、少しでも産業を強くすることに関わりたい、という思いが強かったからなのですが、入行して5年が経過するあたりから、過去の実績を見て融資するより、未来の可能性を読んで投資する方が自分に合っているのではないかと考え始めていました。そんな時、当時サイバーエージェント(以下:CA)で金融事業を立ち上げていた西條さん(現WIL共同創業者COO)が、金融に精通した野心のある人材を探しているとのことで、とある方に声を掛けていただき、当時設立して間もなかったCAの金融子会社で、西條さんが代表を務めるシーエー・キャピタル(以下:CAC)に入社しました。

 

CACには当時、ベンチャーキャピタル事業・FX事業の2事業があったのですが、私は主に株式情報を個人に提供する金融メディアの新規立上げに関わらせていただきました(この金融メディアは後に上場企業に売却)。そして、2006年4月にベンチャーキャピタル事業をCACから切り出し、サイバーエージェント・インベストメント(現サイバーエージェント・ベンチャーズ(以下:CAV))を設立、そこでキャピタリストとしてインデックスデジタル(現シナジーマーケティング)やウノウ、フルスピードやクルーズなどに投資させていただきました。そして2010年8月より代表取締役に就任し、現在は8ヶ国11拠点にてシード・アーリーステージのネットビジネスに積極的に投資活動を行っています。 拠点MAP ※画像クリックでポートフォリオ表示

 

 

■投資戦略

現在、日本・韓国・中国・台湾・ベトナム・インドネシア・タイ・アメリカにて、総勢30名のメンバーで投資活動を行っています。投資ターゲット領域は、広義でいうコンシューマービジネスが中心です。具体的には、衣(アパレルEC、美容健康情報メディアなど)・食(飲食店情報メディア、レシピサービスなど)・住(不動産仲介サービスなど)・購買関連(ECマーケットプレイス、特化型EC、価格比較サイト、決済ソリューションなど)・エンターテイメント(音楽、ゲームなど)・教育(イーラーニングなど)、そしてそれらのネットサービスをユーザーに届けるネット広告領域(ネット広告代理店、アドネットワーク・テクノロジーなど)を主な投資ターゲット領域とし、これら事業領域のトップ・プレイヤーに対して着実に投資を積み重ねていっています。

 

スマートフォンの普及によって、世界的にファーストデバイスがPCからモバイルへシフトしてきています。これまでは、シリコンバレーが人材レベル・リスクマネーの循環量・ビジネスモデル全てにおいて明らかに最先端だったと思いますが、モバイル・インターネット、その中でも特にビジネスモデルについては、日本や韓国、中国を中心にアジアも全然負けていないと思っています。今後30年を見据えたときに、最も経済成長が見込めるのは、若年層を中心に構成された人口ピラミッド、成長余力の高いインターネット普及率、そして44億人という膨大な人口を抱えているアジアだと考えています。

 

アジアの大半の国にとってのファーストデバイスはPCではなくモバイルです。2017年にはアジアのスマホ人口は20億人を超え、東南アジアだけで北米のスマホ人口を抜くと言われています。加えて、アジアの新興国は、従来型産業が成熟した段階でインターネットが普及した先進国と異なり、従来型産業が成長途上の段階で(モバイル)インターネットが急拡大しており、産業における(モバイル)ネットビジネスの存在感が先進国のそれと比較して圧倒的に高いことから、消費者が生活する上で(モバイル)ネットサービスは既に欠かせない存在になっています。

 

私たちがコンシューマービジネスを中心に投資しているのは、私たちの得意領域であるということもありますが、これらの背景からきています。CAVは2006年に中国へ進出、そしてベトナム、台湾、インドネシア、韓国、アメリカ、タイと比較的早い時期から積極的に海外展開を進めてきました。私たちの投資戦略はタイムマシン投資がベースとなっています。具体的に言うと、ウェブサービスはアメリカ、モバイルビジネスは韓国や日本のネットビジネスの発展プロセスやさまざまな成功事例・失敗事例をしっかり捉え、それらを私たちのアジアの全拠点とリアルタイムにシェアすることで、今後伸びる事業機会を明確にし、着実に投資に繋げています。各国にいるキャピタリストも、自国のことだけではなく、ネット先進国の状況についてもしっかり理解している優秀なメンバーを厳選して採用しています。

 

 

 

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■アジアにおける投資実績

例えばベトナムでは、Foody.vnという日本でいうところの食べログのようなサービスなど約20社に投資しています。Foody.vnは私たちがネット先進国で培ってきた経験やノウハウを活かし、UI/UXを含めてCAVで事業プランを練り上げ、外部から経営チームを招聘する形で経営陣とCAVにて設立出資した投資案件でした。事業を立ち上げて約3か月間は、ハノイ・ホーチミン周辺の主たる飲食店をすべて廻り、飲食店データベースをゼロから創り上げるところから始めたのですが、今ではMAUで400万人を超えるベトナム最大の飲食店情報サービスに育っています。

 

また、ベトナムのモバイルゲームプラットフォームTeamobiにもアーリーステージで投資をしているのですが、同社の場合は日本のモバイルゲームビジネスの事業トレンドを継続的に共有し、それを丁寧にローカライズし開発を進めていくことで、出資時は40万人しかいなかった会員が今では2,000万人を超え、ベトナム最大のモバイルゲームプラットフォームとなっています。

 

インドネシアではTokopediaというECマーケットプレイスなど約10社にアーリーステージで投資していますが、Tokopediaも私たちがこれまで培ってきたマーケティングノウハウやCAグループが得意としている組織活性化施策まで幅広くサポートさせていただき、現在ではインドネシア最大のECマーケットプレイスとなっています。その他にも中華圏や韓国、アメリカでも積極的に投資をしていますが、共通して私たちが大切にしていることは、有望な会社を探すのではなく、有望な事業領域をまず私たちで設定し、その中でNo1になりうる企業に投資する。もしそういった企業がなければ、事業プランを起業家と一緒に練り上げ、ゼロから立ち上げる。そういった地味な活動が少しずつですが実を結んできたと言えると思います。

 

 

■日本における投資実績

日本は、私たちの拠点の中でも、最先端の産業やビジネスモデルを積極的に発掘する国、つまりタイムマシン投資の始点となる国として位置付けており、積極的にシード・アーリーステージにて投資活動を実施しています。


無題32 会社:株式会社クラウドワークス
設立:2011年11月
代表:代表取締役社長 兼 CEO 吉田 浩一郎
事業:エンジニア・クリエイターのクラウドソーシングサービス

 

クラウドソーシングはアメリカではoDeskやfreelancer.comなど多く事例があり、アジアでも大きな可能性のあるビジネスモデルだと以前から考えていました。2011年、日本でも同様のビジネスモデルは存在していたものの、「クラウドソーシング」という概念はまだないに等しい状況だったので、エバンジェリストとしてクラウドソーシングというビジネスモデルを啓蒙しながら人を巻き込み、大きく広げていける起業家がいればぜひ投資をしたいと常々考えていました。

 

そんな中、元ドリコムの営業担当役員で当時株式会社ZOOEEを経営されていた吉田さん(現:株式会社クラウドワークス代表取締役社長兼CEO)は、人を強く惹きつける営業力やアジアで起業した経験など、想定していた起業家像にピッタリでした。当時の吉田さんは、私も含めてさまざまな起業家や投資家に会いながら人生を賭けて打ち込める有望な事業アイデアをリサーチされていました。その中で吉田さんが可能性を見出したのがクラウドソーシング事業。CAVはクラウドワークスに数名の著名エンジェルと一緒にシードラウンドで投資させていただいたのですが、やる事業が決まってからの吉田さんはとにかく動きが早かったのを覚えています。現取締役の野村さん、佐々木さんを集め、僅か数か月でしっかり経営チームと事業の形を創り上げてきました。

 

私の考える理想の起業家(経営チーム)は、大きなキャンバスに緻密な字が描ける起業家(経営チーム)だと考えています。大きなキャンバスに大きな字を書く起業家、緻密な字が書けるがそもそものキャンバスも小さいといった起業家は数多くいますが、吉田さんは、大きな事業の絵を描き、外部を巻き込んで強力に推進していける力強さを持っている反面、非常に慎重且つ緻密な面も持ち合わせている数少ない経営者です。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのクラウドワークスですが、キャピタリスト個人としても非常に思い入れの強い会社なので、クラウドソーシングを通して、ぜひ世界の働き方を変えて欲しいと強く願っています。


無題会社:Sansan株式会社
設立:2007年6月
代表:代表取締役社長 寺田 親弘
事業:クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売

 

Sansan株式会社には、2009年6月に株式会社リクルートインキュベーションパートナーズ、GMO Venture Partners株式会社と同じタイミングで出資させていただきました。寺田さん(Sansan株式会社代表取締役社長)は、三井物産出身で手堅いキャリアの持ち主ですが、吉田さんと同様、大胆さと緻密さの両方を持ち合わせた数少ない経営者です。投資させていただいてまずはじめに驚いたことが、役員会や経営会議などで用いる資料の完成度がとにかく高かったことです。ベンチャー、特にスタートアップでは役員会や経営会議資料といってもあってないようなもので笑、まずは経営指標を可視化し、しっかりPDCAサイクルを廻せる仕組みを創ることから始まることが殆どなのですが、ベンチャーなのにとても安心感のある会社だなあと感じたことを今でも覚えています。

 

その一方で、2013年8月にテレビCMを放映したのですが、そこの投資判断は非常に大胆でした。今ではベンチャーでもテレビCMを積極的に活用し始めているものの、当時はSansanにとってテレビCMは企業の生死を分ける投資といっても過言ではないほど大きな投資でした。緻密さと大胆さを大きな振れ幅で併せ持っている寺田さんは、私が尊敬している起業家の1人です。   また、投資家をしっかり選んでくる起業家が後々成功するのではと考えています。例えばクラウドワークスの吉田さんもそうでしたし、Sansanの寺田さんもそのうちの一人でした。起業家と株主は一心同体の関係なので、起業家が投資家をしっかり選ぶのは当然なのですが、「是非投資してください!」「出資金額はいくらでもいいです!」という起業家にたまにお会いするのも事実です。

 

しかし、投資家が起業家を選ぶように、起業家も投資家に対して「お金以外の価値」を求めてもよいと私は考えています。これはもちろん事業のステージにもよるので一概には言えませんが、事業のステージが早ければ早いほど組織も事業も弱い訳ですから、事業を成長軌道に乗せるために株主にはしっかり企業価値向上に貢献してもらわねばならないし、逆にそういった魂を持った投資家を選ぶべきだと私は思っています。


 

■起業家、若しくは起業を検討されている方に向けて

結論、具体的に何の事業をやるのかを決めていなくても、人生の目標やビジョンがあれば、ぜひ早めに相談していただきたいと思っています。起業という行為そのものは、目的ではなく人生の目標やビジョンを実現するための手段なので、それらを実現する方向性はたくさん存在しているケースがほとんどです。

 

CAVでは、日本だけではなく北米や韓国にも拠点を置き、積極的に投資活動を実施しているので、最先端のビジネスモデルやネットビジネスの情報がリアルタイムに入ってきています。また、私たちキャピタリストも常日頃から有望な事業の種を考えており、ざっくりとした構想さえあれば、お互いに事業案をぶつけていきながら事業プランを練り込んでいくことが可能です。実際、投資させていただく前に起業家とキャピタリストで事業戦略を練る合宿やMTGを何度も何度もやっています。その結果、事業プランと事業戦略が固まれば投資させていただき、その一緒に決めた事業戦略を実行し、難しければ戦略を見直す、まさにこの繰り返しです。

 

いずれにせよ、起業家にビジネスプランを提出させて、そのビジネスプランに赤ペンで〇か×かを付けるだけのようなVCも中にはありますが、私たちはそうではなく、どうすれば事業を成功させることが出来るのか?という投資家の前に事業家としての視点を持っているVCでありたいと考えています。 IMG_0140

■最後に

ネットビジネスにおいては、スマホの普及によってもはや物理的な国境の壁がなくなり、世界が一つに繋がったといっても決して過言ではないビジネス環境が整いました。先日、ベトナムのゲーム会社が作ったflappy birdというゲームが北米のAppStoreで一位を獲得し、業界でちょっとしたニュースになりましたが、今自国だけに閉じている意味はもはや何もありません。From Asia to Globalで世界を大きく変えるような、GoogleやFacebookを超えるような、そんな目線の高いベンチャーにぜひ投資させていただきたいと思っています。我こそはという起業家がいれば、ぜひCAVにお声かけください。

 

 

 


■株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ

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お問い合わせはこちらまで cav_jp@ext.cyberagent.co.jp

 

 


 

■幹部人材採用、幹部クラス求人は株式会社BNGパートナーズ

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インフィニティ・ベンチャーズLLP 共同代表パートナー 小野裕史氏

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■経歴

私は未知の物が大好きで宇宙に興味を持って大学に入学したんですが、教授の話を聞く中で正直ワクワクしなくなってしまったんですよ。だって宇宙ってあまりにも遠くて手元に無いじゃないですか。実際にやってみた後でわかった事でもあるんですが、僕はすぐに結果が出るものや白黒はっきり出るものが好きだったんですね。その後宇宙よりも身近な生物学に専攻を変更し研究していました。たまたま研究室にパソコンがあって自分でプログラミングしたり、サーバー立てたり無料で使ってました。当時じゃなければあり得ないですけどね(笑)大学院2年の時にiモードが開始されてすぐにiモード端末を買ってみたんですよ。これまで部屋でしか使えなかったインターネットが手元で誰もが使えるという事に衝撃を受けてモバイルインターネットの世界に挑戦したいと思いましたね。iモード端末を買ったからには実際にiモードサイトを作ってみようということで、最初は居酒屋の検索サイトとかを作ってました。大学生らしいですよね(笑)その後サイトを運営しながら新卒でIBMシステムエンジニアリング、IBMのグループ会社に入りました。